2016年4月3日日曜日

大逆転の裏に理由あり

「ロン!逆転だな、これは」
麻雀劇画にありがちなオーラストップ目から役満を直撃し大逆転。それが実現した。

オーラスを迎え、私は持ち点2万4千の子の2位。トップ目は上家の見せたまえDrで4万5千あり、逆転トップは難しくせいぜい3万点越えの浮きの2着を目指す場面だ。半荘9戦目で私はここまでちょい沈みで、最近不調だったダイボDrがダントツ、一人勝ちしていた。

配牌をもらうも7種9牌のクズ手。ドラもなく国士かホンイツかと第一打に4索を切った。次に么九牌を引きここで国士を決意。対子の1ピンを1枚捨てた。手作りだけなら配牌からあった3索を切るべきだ。しかしそんな良面子を嫌う異様であからさまな捨牌は避け、3索は3巡目に捨てた。これが後で効いてくる。その後3ピン、6索、4ピンと捨て萬子のホンイツらしき捨牌になった。下家の親のダイボDrも似たような捨牌だ。対面のサブアラドDrはドラの中も切って喰いタン模様、ラスなのにあきらめてこの半荘を終わらせようとしているのか。

実はこの時私は既に中か白をもってくれば国士の一向聴だった。実に順調でまるで1週間ほど前にネットで上がった国士と同じような展開だ。そして驚くことに7巡目、白をツモりドラの中待ちの国士聴牌をしてしまったのだ。皆に気付かれぬようこそっとデジカメ写真を撮った。その写真が↓だ。

対面のサブアラドDrは一度切っている中は間違いなく切ってくる。しかし見せたまえDrはトップ目だから切る可能性は低い。ダイボに行けば七対子好きの彼のこと、手にしまい込み一切出てこない。自分でツモるしかない。となるとこのまま場が進めば2分の1の確率で国士が上がれるか・・。息を凝らし気配を消してツモを繰り返した。真っ赤な中は・・なかなか場に出てこない。しかし13巡目、ふいにトップ目の見せたまえDrから出てきたのだ。打「中」。これが冒頭の場面だ。手を開くと同時に「国士!」と宣言すると「ええっ!」「ウソぉー」と驚きの声がみんなから上がった。見せたまえDrは呆然。この半荘トップで大負けから小負けになると目論んでいたのがおじゃんになった。↓が上がった瞬間の場面。

日頃はそんなに手の内を互いに検討しないが見せたまえDrはなぜ中を切ったのか解説した。↓がその時の手牌だ。
「中は絶対切らないとずっと手の内に入れていた。ちょうど中を切れば345の三色という手を聴牌した。警戒していたのは親のダイボで捨牌を見ておらずまだ聴牌していないのが分かった(長年の付き合いでそれは分かる。実際、ダイボは面混七対子の一向聴だった)。自分が上がればこの半荘は終わるし子の満貫放銃でもトップだから切った。こてるの手は全く気にとめていなかった」彼は勝負かオリかでは勝負することが多い。それでこのところずっと勝ち頭だ。私の捨牌が国士には見えなかった(見せなかった)こともあって彼には当然の選択だったようだ。ただ後日、サブアラドDrは「あの場面ではいくら聴牌しても中は握りつぶすべきだった。自分だったらそうする。親のダイボDrにポンされる危険性がありそうなれば親ハネ、親バイもあり、上がりは五分五分でリスキーだった」と主張していた。なるほどね。どちらかと言えば守備的なサブアラドDrらしい見解だ。だが見せたまえDrの言い分も十分理解出来るし、そこは意見の分かれるところだろう。

いやー、気分いいねえ、3コロトップ。私たちは役満賞も付けているのでプラス100ほどにもなり一気に勝ち組に入った。で、残るは半荘1回のみ。実はここでもオーラスに私が大逆転でトップを奪った。でも本来ならサブアラドDrの会心の大逆転半荘になるはずだったのだ。

これまで9半荘で1回のプラスもない絶不調の彼は南2局の時点で持ち点が1600点とまたもやトビ寸前。それを千点で上がり最後の親を迎えると怒濤の連荘が始まり何と5連荘し持ち点が4万5千点のダントツになった。トップ目だった私は18500点の3位に落ちていた。このまま親が流れオーラス適当に終わらせればおそらくサブアラドDrのトップだったろう。最後少しでもマイナス分を減らせたはずだ。しかし好事魔多し。親リーを仕掛けられどうにも手を付けられないと私は思ったが、好調のダイボDrが反撃に出た。そして北三暗刻ドラ3対ハネ満をサブアラドDrから直撃!↓がその場面。
これでダイボDrがわずかだがトップ目(3万4千強)になった。サブアラドDrは3万2千ほど。後日、サブアラドDr自ら反省したのはこのリーチだった。ドラの北が1枚も見えない中でいくら両面待ちとはいえ調子に乗りすぎたと。確かにそうだ。きっと負けが込んでいたので少しでも点数を稼ぎたかったのだろう。

しかしこれで私にもチャンスが訪れた。オーラス、ハネ満をツモれば浮きの2位浮上で上手く行けば逆転トップもありうる。そして断ヤオドラ2を聴牌した私はドラの4ピンの2枚目を持って来て聴牌を崩した。これが結果的に大成功。何と倍満手に化け、ツモって一気に逆転トップとなった。以下参照。
三索四索赤五索六索七索八索一筒二筒三筒四筒四筒四萬六萬ドラ四萬
ツモ4ピン打1ピンとし、その後ツモ4ピンの直後ドラの4萬をツモった。
三索四索赤五索六索七索八索二筒三筒四筒四筒四筒四萬六萬ツモ四萬
ここで打6萬はフリテンになる。打4萬はドラがもったいない。そこで私の次の一手。
四筒の聴牌崩しだ。四筒六萬のくっつき聴牌を目指した。次ツモ三索で打六萬。これをダイボDrがチー。私の手牌は↓になる。
三索三索四索赤五索六索七索八索二筒三筒四筒四筒四萬四萬
三索を残して六萬を切ったのはドラ近くの受けはやや不利だからである。そして次に四索をツモり打四筒で↓の聴牌になり満を持してリーチといった。
三索三索四索四索赤五索六索七索八索二筒三筒四筒四萬四萬
これはハネ満確定でツモれば倍満もありうる。そして一発消しにあったもののすぐに五索をツモり倍満。裏ドラは三索でドラ5になったがこれは余計だったネ。

いやー、2半荘続けての劇画的な勝利だった。しかし、その裏には実は相手の目に見えないミスがあったのだ。どちらもトップ目でありながら無駄な勝負をしてしまった・・。

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