2016年3月12日土曜日

扱いにくい患者

土曜勤務で外来をやっていた。
病状に変わりはないとか、かくかくしかじか具合がわるいなどそれぞれみなさんお話される。だいたいは素直でお互いに病気を治していこうという共同姿勢が根底にある。しかし中には妙に扱いにくい患者もいる。

今日の定年を過ぎた初老男性がそんな感じだった。糖尿病がありHbA1cが6%前半でなかなかにコントロールはよろしい。しかし毎月0.1%ずつ上昇していたので「これは油断しちゃいけませんね」と言うと、すかさずいちゃもんを付けられた。「自分は食事コントロールをやれば数値がよくなるのは分かっている、しっかり食事を節制してここまで下げた。あんたたちはそこは誉めもしないでちらっと数字を見てはさっと薬を出すだけだ」など云々。まあ、言っていることはまともなのでそこは評価し話しを続けたが内心は少々むかむかしていた。患者の言い分はその後も終わらず、「これまで診察したドクターはあんましまともではなかった」と言い、私に対して「(あなたは)面と向かって指導してくれたから良かった。これならこの次ぎも来ようかと思う」と持ち上げるような言いぐさだ。

何というか、ずいぶんエラいのよ、この患者「様」は。医者はだいたい上に立って患者に対応するからこのような物言いには慣れていない。でもそれはある程度仕方のないこと。ずっと勉強してきているし病気についてたいていは患者より知っている。別に人間性を下に見るわけじゃない。しかし、こと病気、病状については上から下への態度はことを進めやすいものなのだ。で、その前の記録では面と向かって指導しないどころか村紘DrなどHbA1c以外の検査もきちんとすべきと詳しく説明するもこのお方は頑として受け付けていなかった。言っていることと違うじゃない。

話しを続けていて以前も似たような気分になったことがあったわ。さらさらと記録を確かめると半年、1年前も似たようないちゃもんを言っていたよこの人は。また、通常は1ヶ月処方が2ヶ月処方になっていて「2ヶ月処方にした内科のドクターは話しを聞いてくれるいいドクターだった」と言う。終わったあとそいつは誰かと確認すると、何とそれは私だった。ああ、コントロールがほぼ正常なので認めたがやたら主張するからだったと記憶している。無駄(と本人が思っている)なお金は払いたくないという本音も見え隠れするナ。検査代も払いたくないから村紘Drの勧めも断ったのだろう。

何で指導には従わない相手に診療方針を評価されてしまうのか。扱いにくいと感じるのはそこだ。患者がエラくなり過ぎるのは考えもんだぜ。

その後に来た患者。いつもより血圧が高かったのでそこを指摘すると、「いやー、測ってくれた看護師さんが若かったからナー」と言い訳したので、「あー、そりゃいけない、次は年輩の看護師を付かせましょう」と答えた。ハハ、これくらいのやりとりが出来るお人なら診療もやりやすいわ〜。

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