午後、私は大腸内視鏡をしていた。ただ午後の救急ピッチ当番の代理もやっていた。当番の先生が別の仕事で忙しいときは代わりを誰かがする。そこは柔軟に対応していかねばならない。検査も終わりそうというときに救急依頼のコールがありホントだ外来師長から「屋外従事の30才代男性が気分不良、頭痛もするとのことです」と聞き、「受けなさい。私が遅れそうな時はさっと採血、点滴して頭部CT撮影に向かわすよーに」と指示した。救急車の音が聞こえ、私も検査のカルテ所見書きも終わりそうで救急外来に向かおうかとしたら、ピッチが鳴った。ホントだ師長からで「先生、(脳外科の)ポンシンDrが診てくれるとのことですから(来なくて)いいです」とのこと。ほうか、頭痛もあるということだしそれなら良かった。担当不在でもみんなで助け合おう。
運ばれた患者は若くて外で仕事していたというから熱中症かな。いや、まてよ、外は雨のはずだが・・。今朝は雨の影響で案の定10号線が通行止めで高速インター付近は渋滞がひどかった。熱中症になるほど気温は高くないと思う。例年、熱中症患者は梅雨が明けそうなころ日射しと湿気で一気に増えるよなー。そんなことを考えながら別の仕事をしていた。
しばらく経ち、「救急の気分不良患者は入院になったの」とホントだ師長に尋ねたら、「先生、何言っているんですか。あの人はくも膜下出血だったんですよ。入院の話も出たけど、鹿児島市内在住だったから鹿児島市立病院にドクターヘリで転送になりました」と言われ驚いた。電カルでCT画像を見たら一目でそうと分かるくも膜下出血の画像だった。師長曰く、「もう入って来た時からくも膜下出血くさいと思った」と。嘔吐する様子からそう思ったらしい。ポンシンDrも即診断し、諸事情を鑑み市立病院へ転送のための救急車を要請したら、何でもキーワードがドクターヘリ出動に合致したらしくヘリが姶良までやって来たらしい。青雲会病院にはヘリポートはなく、救急車で近くの警察学校敷地へ送りそこから乗せることになる。いつもは10号線を使って市立病院には転送するが少しでも早く治療が出来るようにということだろう。その患者はまだ30代の若さだ、その後の詳細は知らないが無事回復することを祈ろう。
(↓はこの患者さんのものではないけれど、ほとんど同じようなCT画像で医師国家試験に出たもので、白くヒトデのように見えるのがくも膜下腔に溜まった血液です。)
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