録画でNHKの「ためしてガッテン」を見ていたら、オレオレ詐欺電話対策で面白い実験をやっていた。
参加者を一人一人個室に入れて、別室からNHKアナウンサーがマイクでいろんな作業を命令する。少し慌てるくらいにプレッシャーを掛けながらするのだが、最初のグループの人たちはそれでもだいたいうまく実行できるのに、もう一方のグループの人たちは妙に慌ててほとんどの作業が上手くいかないのだった。視聴者からすれば一見差がないように見えるのになぜ?となる。実は上手くいったグループには手前のスピーカーから音が出ていたのに対し、失敗グループの人たちにはイヤホンを付けてもらい命令していたのだった。耳元でささやかれたり命令されると人は冷静に判断しにくくなるという鮮やかな実験だった。
これが電話による詐欺に応用されているんだというNHKの解説には納得がいった。それで、どうすれば対策できるかとなる。それには最初から留守電にして電話のスピーカーから聞くようにすると冷静に判断できるし、詐欺グループは録音されるのを嫌がるのであまり掛けてこなくなるともいう。
そこで山形のある老人男性は自分の町から被害を出さないようにしたいと各老人家庭を回り、留守電設定するように頼んで回った。だが、みんな「はいはい」と聞いてはくれたが実際に留守電にしたところはほとんどなかった。そのわけは「ホントは家にいるのに『〇〇です。ただいま留守にしています』とウソつくのは何だか相手に悪い」と思ってしまうとのことで、確かにそれも分かる。
しかしそれでは被害は無くならない(実際に被害に遭った人もいた)とのことで、各自が自分の声で「対策のために留守にしているから」と録音機能を使えばやりやすくなると説得すると、今度は多くの家で留守電にしてもらえた。悪戦苦闘しながらも自ら録音する様子が映像で紹介されていたが、私は別の観点から「おおっ」と思ってしまった。
「おしんと同じ言葉をしゃべっている!」
そう、今、毎日「おしん」を観ているので山形弁には敏感に反応してしまうのだ。そこは山形の田舎町で時代は違うが山形弁は同じなのであった。自録音は慣れないようで「もしもし、誰だや、忙しい時に来て。・・・こだな電話もらっても困るな」とあるおばさんがしゃべっていたが、これはちょっと良くない録音の仕方で「ごしゃいだら二度と(知人は)電話よこさないベさ」と山形の老人男性に注意されていた。「こだな」は「こんな」で「ごしゃいだら」は「叱ったら」の山形弁だ。おしんにもしょっちゅう出てくる。
今回の「ためしてガッテン」、二つの意味で楽しめ、役に立った回であった。
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