本人、家族に説明しとりあえず食事開始OKとし数日は経過観察する方針を伝えた。もし、また再下血あればその時はすぐに内視鏡を突っ込むとも。
夜、高速で帰宅途中、病院からスマホに連絡があった。「先生、村正さん下血しています!」だって。おお、出たか。「もう自宅近くなんで一旦帰宅し夕食大急ぎで摂ってからすぐに引き返す」と返事した。普通の人なら「なんで夜に、しかも帰る途中に呼び戻されるんじゃ」とぼやくところかもしれない。しかし憩室出血治療界ではこれは大いなるチャンスなのだ。
帰院後、前処置なしでさっそく大腸内視鏡挿入した。案の定腸管内は血液だらけだ。しかし横行結腸、奥の上行結腸は血液付着が少なくどうも下行結腸以下に出血源はありそう。よーく見れば下行結腸の脾弯曲近くに新鮮な血餅があり犯人の居場所は近いぞ。すると新鮮血の流れがあった!フードと注水で確認するとかなり小さな憩室から出血しているのが見つかった。やった、これで勝った。見つかればこっちのものなんだ。しっかし、出血なければ極小の憩室でとても露出血管がそこにあるとは分からない。クリップで目印し内視鏡室を入れ替え結紮ゴムで縛り上げ止血した。(下が出血している様子)
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