午後は早帰りを利用して溝辺町の生国さんのところを尋ねた。生国さんは私の外来患者で長く診ている。去年ごろから「溝辺には赤ソバの花がきれいな時期があるからその時はぜひいらして下さい」と何回か言われていて、今がまさにその時期と私の方から出向いた。ついこの間、南日本新聞にも「秋風にゆらり 赤ソバ見頃 霧島市溝辺」という記事が出たばかりだった。住所で検索した生国さんの自宅にナビでたどり着き、そこから生国さんの運転する軽トラに乗せてもらい、近くの赤ソバ畑に行ってみた。道すがら「赤ソバはきれいだけど収穫が白ソバより悪い」ということを教えてくれた。収益性だけなら植えることはなくみんなが見て楽しんでくれたらという思いで畑の主は植えているらしい。
生国さんは「ああ、本当はもっと花が立ってきれいに見えるんだけど・・」とこの前の台風で少し見栄えが悪くなっているのを気にしていた。いや、それでも十分きれいで周囲ののどかな田舎の風景と相まっていい気分だ。この後、新聞にも出ていた地区にも行ってみた。植え付け面積は先ほどより小さいが、ここは何といっても背景が素晴らしかった。遠くに高千穂峰、韓国岳と霧島連山が臨め、もしかしすると飛行機も写ることがある。ちょうど、写真撮影にプロカメラマンとモデルの女性も来ていて赤い傘を手に取り撮影中だった。そこを私も借景としてパチリ。ただでいい写真が撮れたよ、ハハ。
生国さんはこのあと、「特攻機慰霊碑があって空港が眺めるところです」と小高い丘に体育館や公民館がある上床公園に連れて行ってくれた。ここは十三塚原の旧海軍航空隊の跡地で、太平洋戦争末期に国分海軍航空隊第二基地として発足し、沖縄周辺の敵艦隊に対し特攻を敢行した所とのことで、慰霊碑は上床公園内の一角にあり、隣には飛行練習機が展示されてあった。
生国さんはそんな悲惨な話は一切せず「ここは春先になるともっと空気が澄んで眺めがいいところなんです」と季節がよかったらもっといいのにと残念がっていた。生国さんの家や畑あたりまでは私の出身の南九州市頴娃、知覧と似たところがあり、「田舎はどこもいっしょだな」という感想だったが、ことここに来ては空港に霧島連山とダイナミックな光景に「溝辺はなかなかいいところ」と感じ入った。
80才前の好々爺とのデートは夕方近くまでかかり、このあと高速で帰宅しようとしたが、どうにも眠くってこのままでは事故るかもしれないと心配になり桜島SAに入って仮眠することにした。駐車するところは他車にいちゃもんつけられないようなところに駐めてね。こんなところでトラブるのはごめんだ。3、40分仮眠しただろうか。目が覚めるともう辺りはかなり暗くなっていた・・。
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