2017年10月12日木曜日

学会初日ならず

学会に行くといっても午前中は病院勤務だった。早めに内視鏡済ませ病棟指示し新幹線で出かける予定が、そうは問屋が卸さなかった。これまで何回も大腸憩室出血を起こした高齢女性がまた下血で来たのだ。なかなか出血源が分からず安静自然止血でどうにかやり過ごしていたので再発出血したものと思われる。この患者を放置して福岡までは行けない。下剤前処置を指示し、他の胃カメラを粛々とこなしていった。

この人はS状結腸に憩室が多発ししかも挿入しにくいのは何度も検査しているので分かっていた。問題は今現在出血しているかどうかだ。完全に止まっていると出血の責任憩室が分からず結局治療が不十分のままになる。血が出ていれば・・がっつり止血してやるんだが。

12時過ぎても胃カメラが終わらず、大腸内視鏡開始は結局13時ごろになった。挿入してすぐ、新鮮な凝血を見つけた。おお、これは出血源を見つけられるかも。今回は数日病院を空けるのでなんとしても止血処置をしておきたい。慎重に観察を続けると・・あった!じわじわと出血している。よおし、今度こそがっつり止めたるぜぇ。出血はしていても露出血管までは確認できない。ここはクリップ縫縮よりバンド結紮だ。目印クリップを出血憩室に掛けいったんスコープを抜去する。今度はO(オー)リングというゴムバンドをスコープ先端に装着し再挿入だ。ただこれは視野が狭くなりこのあとクリップを掛けた部位を探すのに時間がかかった。どうにか見つけ、吸引結紮したが緊張度の高いS状結腸のせいか不十分におわりゴムがうまく掛からなかった。「やり直し!」また抜いて装着再挿入。ふう。二度目はうまくいった。これで学会から帰るまで絶食点滴安静にしておけばもうここから出血することはないだろう。

入院指示やらで自宅に一旦戻ったのは14時半を過ぎていた。新幹線に乗る予定の14時35分発どころじゃない。どうみても15時33分発になる。それだと・・博多着が17時13分。調べると学会の受付最終が17時30分。うわ、ぎりぎり間に合わない。ぷう。ホテルも予約しているので行くしかない。こうなったら明日は大腸憩室出血の発表をしっかり聴いてやるかっ。

0 件のコメント:

コメントを投稿