本格的な台風はこの7、8年以上鹿児島本土には来ていない。確かに気象上は上陸したものもあったがそよ風程度の風を台風とは呼べない。で、今度ばかりは本物の台風が来るだろうと思いきや、昼前なんか風も吹かず青空だよ、青空。しかし雲の動きは極めて速くただの青空じゃない。台風の目だったんだな。
昼はずっと家でソファ寝。夜は天鳳するも調子は今一で夜遅くチッチとこの前録画していたビデオをみた。フジTV制作のそれは今から50年ほど前東京オリンピックが開かれる直前に起きた殺人事件で犯人が死刑になった3件を再現ビデオなどで検証する番組だった。有名な吉展ちゃん誘拐殺人事件の小原保、戦後初の女性死刑囚小林カウのホテル日本閣事件、そして「復讐するは我にあり」のモデルとなった連続殺人犯西口彰の事件と証言や新資料などで丁寧にあぶり出した労作で、中でも福岡から広島、静岡、北海道、東京で残忍な殺人や詐欺行為を働きある目的で熊本にやって来た西口彰のサスペンスは強烈だった。
冤罪弁護を支援していた教誨師(きょうかいし)一家に「その支援をしたい」と東京で老弁護士を殺しバッジ付けて弁護士になりすました西口は教誨師の歓迎を受け、一晩泊まることになる。しかし、その家の10才の次女は男を見た瞬間目を見張った。連続殺人犯だと一目ピンと来たからだ。すぐに母や姉にそのことを伝えるが信じてもらえない。人格者の父は「そんな失礼なことを言うものではない」とたしなめるが、母らは駐在所に連絡する。実は次女は毎日家の近くにあった指名手配犯の西口の顔を眺めすっかり覚えていたのだった。父も弁護士なら当然知っているべき人物の名前を知らないなど不審に思い娘の言い分を聞き始めた。すでに数ヶ月で5人も殺し残忍この上ない犯人とおぼしき男を家の2階に泊めてしまっては一睡も出来るはずがない。実際、西口は上手く取り入った後は教誨師一家を殺して沖縄にトンズラする予定だった。西口は福岡の刑務所労役していたときに刑務者を諭す役目のこの教誨師を覚えていたのである。こわっ。その夜、父親は子どもらを寝かしつけるもすぐに入って来られないよう簡易鍵を気付かれないよう30分もかけて戸に付けるなどし、音が聞こえたらどうすんだとハラハラした。翌朝、警察から胸の傷跡が確認出来たら西口だろうから朝風呂に誘って確認してくれと言われそのとおりにするなど見ていてもうハラハラし通しだった。おいおいそんな危険な目に遭わせていいのかい。感づいた西口は早目に暇乞いし家を出て行ったがすかさず連絡した警察が張り込み任意同行を求め逮捕に至った。ふーぅ。
しばらくこの事件が頭から離れなかった。後で聞くとチッチもこの事件を思い出して何度もぞっとしたと。その犯人役を演じたのは何と陣内智則。無表情な演技はなかなかのものだったが実際の西口彰の写真の方が不気味さと女に持てたという妙な魅力を醸しだし迫力があった・・。
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