今日、久しぶりに定番の質問をすることで患者さんを笑わせた。その質問をするとほぼ99%、患者さんが笑ってくれるんだ。
それはピロリ菌についての話で、特にピロリ菌陽性を初めて指摘された中高年がその感染を心配し過ぎる時に「あんまり心配しなさんな」と教える場合だ。
そもそもピロリ菌は昔から人の胃の中には多く見られる菌だった。東アジア、特に日本においては下水処理が不十分な時代に生まれた世代には多く見て70%もの人に居着いていた。「生まれた時代が昭和でいえば20年代までは日本人ならば60ー70%の人にピロリ菌がいるんですよ」とまず教えてあげる。「生まれは何年ですか」「昭和18年です」「あー、だったらまずピロリ菌はいますよ」「はあ」
「あれ?日本人ですよね」
ここだ。不安そう、仏頂面、小難しい、そんな表情をしていた患者さんが破顔一笑してくれる。そして皆「(もちろん)日本人ですよ」と答えてくれる。「ならばピロリ菌がいても不思議はない。薬できちんと治りますよ」でスムーズに診療が進む。
「日本人ですよね」・・常にみんなと同じが安心する日本人にはもってこいの質問であった。
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