2020年11月1日日曜日

聞いただけで分かる

 もともとはボウリングネタを書くことで始まったのが「こてる日記」だ。だが、このところ話題にすることがほとんどない。コロナ禍の中で数ヶ月投げていなかったし、姶良郡医師会ボウリング大会も自然消滅したようだし、唯一定期的に参加していた串木野トリオリーグもまだ再開の目途が立っていないしー。

そんな中、4F病棟の舞子はんNsが「先生、4XX号室のMWさんはボウリングするそうですよ」と教えてくれた。他科の患者で年齢は私より少し上の男性だった。名前からしてプロでなくアマチュアと分かったが、あまり聞いたことのない名前だった。鹿児島のトップアマなら私はたいてい名前を知っている。どんなもんかなと思って部屋に行くと、スキンヘッドのおっさんだった。

「ボウリングをされるそうですが」と話しかけると「ええ」と応じ、私のことも聞いていたようで、さらに「マサコさんていたでしょ、彼女から先生のことは聞いていました」と言われた。ああ、マサコさんは10年以上前、青雲会病院で清掃業務に就いていて元々マイボウラーだった。その後国分スターレーンで投げている姿は時々見かけている。

「ところでマイボールは何を使っているんですか」という質問には「韓国から輸入されているウレタンボールを使っている」というからかなりの通(つう)だ。そもそも一般のボウラーはマイボールを持っていないしどんなブランドか知らない人も多い。さらにMWさんは「私はサムレスで投げているんですよ」とのことでそれには少々驚いた。サムレス投法は親指を使わず抱え込むようにし中指、薬指の2本で投げる投げ方で回転数がすごくアップし破壊力のあるボールになる。↓はネットで拾ったサムレス投法の典型。

「以前はローダウンで投げていましたが数年前から(投げ方を)変えました」という会話は、私はすぐに理解できたが一般の人にはちんぷんかんぷんのはずだ。ローダウンとは3本の指を使う点はオーソドックスだが、手首全体で回転数を上げて投げる投法でアメリカではこれが主流、日本でもプロやトップアマでこの投法は多い。女子では少なくPリーグでは、最近は出てこないが宮城鈴菜、竹原三貴などがその投法だ。↓は宮城鈴菜のダイナミックな当直フォーム。オープンバックといって脇が開くのがオーソドックス投法とは違う。

そして「最近は南九州プロアマサーキットなどに出ている」というから「ならば泣かん薗Drも知っていますね」というと「ええ」との返事だった。鹿児島、熊本、宮崎のプロを含めた腕に覚えのあるアマら数十人が参加する大会で、月1会場を変え成績を競うというのは知っていた。そんな話を聞いていて私はこう思った。

「この人は私より確実に実力は上だ」

ボウリングに対する熱意、知識、練習量など聞けば分かる。それらを総合して私より力は上と見た。私もかつての週3回くらいボウリングをする熱意があれば対抗できるだろうが、今はその情熱がない。かろうじて現状維持が精一杯だ。いや、ひとつだけ勝っているのは現在私の方が健康という点。

「はやく体調戻してボウリング頑張って下さい」

そう言って病室を出たのだった。

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