韓ドラ「力の強い女ト・ボンスン(2017)」を4日足らずで見終わった。タイトルはなんともダサいがファンタジーとラブコメとサスペンスが一体となりかなり面白いドラマだった。身長158cmという韓ドラ女優の中ではもっとも小さいかもしれないパク・ボヨン主演(ちなみに冬ソナのチェ・ジウは174cmもある)で、彼女が実は遺伝的にとんでもない怪力の持ち主という設定がおかしくも楽しい。そこに連続女性誘拐事件が絡みドタバタになりがちなところを締めている。最近は悪役がこのドラマのような怪物的サイコパスか影響力の強い社会悪が対象になることが多く、対抗するため主人公に特殊能力を持たすケースが多い。そのためファンタジードラマが多い気がする。
最近見たドラマでは「星から来たあなた」「青い海の伝説」「トッケビ」では主人公がいずれも人間ではなくしかも超能力を使える。「ヒーラー」の主人公は一応生身の人間だが車を追いかけるのにビルの屋根伝いにピョンピョン渡っていって離されなんて現実にはあり得ずファンタジーっぽい。ト・ボンスンも後半一時的に怪力が使えなくなり本人が望んでいた普通の人間になれるが途端にドラマがつまらなくなりかけた。この設定はこのドラマの生命線だったんだ。
なお、ドラマはケーブルTVのJTBC作品で同社史上最高視聴率を達成したそうだ。最近の韓ドラはこれまでの地上波(KBS、MBC、SBS)に勢いがなくなり、TvN、OCN、JTBCといったケーブルテレビ局のドラマに評価、評判とも高い作品が多くなっている。2018年では地上波の主力と言われる月火ドラマ、水木ドラマ(ミニドラマと言われ16話から20話くらいで終わる)で視聴率20%を超えた作品はなかったそうだ。かつては20%越えでないとヒット作とは言えない時代があっという間になくなった。MBCのドラマ製作トップが「うちでは30%を超えないとヒットとは見ていない」と豪語していたのはたった20年ほど前のことだ。それはビデオとネットの普及が大きく影響しているからと思う。時間に合わせて見る必要がなくなり、しかも今はスマホをいじればドラマより面白いコンテンツがたくさんある。特に若者がドラマを昔ほど見なくなった。年配向けの週末ドラマ(ホームドラマが多い)はまだ視聴率が高いのもスマホをいじる世代とそうでない世代の差ゆえだろう。
そのスマホもドラマ内ではよく利用され、ケンカのもとになったり相手が故意か偶然にかメールを盗み見てなんて場面がしょっちゅう出てくる。スマホがあるから大昔のようなすれ違いドラマもなくなった。携帯やスマホの社会に与えた影響は限りがなく、21世紀とはどんな時代かと問われれば私は「スマホの時代」と答えるだろう。
「ト・ボンスン」から少し話が大きくなった。一つのドラマから現代を語れるってホントだな。
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