朝の出発が台湾時間で午前9時というので7時半くらいにバイキング食堂に行ってみるとびっくり、大勢のフィリピン女性軍団に占拠されていたのだった。小1時間程前に来ていたというブックリバーDrが苦笑いし光鳥Nsと里鳥母もようやく座れたテーブルに食べ物を置いてはまた食べ物取りにじっと並んでいた。私は当初並ぶ気がせず奥のテーブルで飲み物や付け出しのようなものだけ取っていた。いずれこの行列も収まるだろうと思ってのことだったがいっこうにそうはならない。後から知ったがフィリピンのIT工場の慰安旅行で大型バス6台必要なくらいの人数だった。結局フィリピン女性に混じって並ぶ羽目になったっすよ。彼女らはピーチクパーチク朝から元気で食事ももりもりだった。背の低さと肌がやや浅黒いのが日本人と違うか。とにかく若さいっぱいでチンさんも「昨日の夜はうるっさくて寝られないほどだったよ」とぼやいていた。
食後は本日のメインである花蓮北西部にある太魯閣渓谷の観光に小型のバスで出かけた。ここは台湾でも有名な観光地とのことで韓国ドラマ「オンエアー」にも出てきた。キム・ハヌルがパク・ヨンハからもらった帽子を峡谷観光中にかぶっていてもしや恋愛感情があるのかと思わせるシーンで次の回に続くのだったが「オン・エアー」は韓ドラの内幕物でさほど恋愛はテーマになっておらず次の週ではそれは単なる勘違いで終わっていてどうも台湾の観光局とタイアップしていたから作ったシーンにも思えた。他には日月潭という有名な湖や圓山大飯店という有名ホテルも出てくる。明日行く九扮も出てくるとは今回調べて分かった。ま、太魯閣はそれだけ有名ってことだ。
30分ほどで渓谷入り口に着きここで全体写真を撮った。ぱっと見、山や川は日本ではあまり目にしない景観で特に大理石で出来た山故に川にはその成分があって魚が住めないという説明をチンさんがしてくれた。チンさんはよく勉強していて台湾で一番高い山が玉山で富士山より高く「日本では新高山って言うでしょ。真珠湾攻撃の時にハワイと新高山の緯度が近いため『ニイタカヤマノボレ』の暗号文が作られたのよ」と解説してくれた。へへー。
バスで登っては降りて景色を楽しむという観光法でチンさんがポイントポイントを押さえてくれたのでさほど疲れず渓谷観光を楽しむことが出来た。「この先、中国人が大勢いるよ。あの人たちはバスから降りてみんなヘルメットかぶっているからすぐ分かる。それとダウンジャケット着てスニーカー履いてるのは韓国人、見ればすぐ分かるよ」と鑑別法を教えてくれた。するとブックリバーDrが「私はどうですか」と聞くと「あなた、100%日本人ね」と即答だった。確かに私たちから見ても中国人のおばちゃんなんかパーマかけて服が派手だったりと日本人とは何かしらの違いがありそれが滲み出ている。ガイドのプロなら出身の違いなどすぐに分かるんだろう。
太魯閣渓谷は一言お勧めの観光地だ。そんなに標高は高くないのに日本なら千メートル超の山あいの雰囲気が味わえる。私たちは奥の天詳までは行かずアミ族の店のある緑水で花茶を味わうくらいで引き返したが十分だった。その花茶はブックリバーDrなど「うわ、酸っぱい」と言って用意されていた蜂蜜をこれでもかと入れて飲んでいた。他の人も同じような感想が多かったが私やカールは普通に飲めた。味覚って人それぞれだな。
山を下りて向かうは大理石工場&販売所だった。事前にチンさんから「説明をしてくれるおじさんは毎回毎回同じことをしゃべってまるでテープレコーダーの繰り返しなんだけどせっかくだから聞いてあげて下さい」と聞かされていた。大理石の一大産地として花蓮は有名だが他にも宝石を産出しそこの店では翡翠、キャッツアイ、水晶、珊瑚などありそれらを加工販売していた。私たちが入った時は他の団体客が少なく閑散としていたがここに中国人団体が混じったら大変なことになるようだ。帰国後別サイトで同じような観光コースを取った人のブログでは中国おばちゃんの喧噪かまびすしく、ある新婚さんは割り込みを阻止しながら何とか翡翠を購入しガイドさんに「負けずによく購入出来ましたネ」と誉められたとか。安い日用品もあったそうだが全般に高級な物が多くうちのミニ団体客で買った人は誰もいなかった。でもシホねえ曰く「ギボヒサコさんがいたら絶対何か買ってましたね」と。全く同じことをカールも言っていた。2年前の韓国でまさかのアメジストを買った経歴があり皆さもありなんと頷いていた。どんだけのカモヒサコさんなのよ。
ただ多くのストーンの中で「七彩藝石」は素晴らしいと思った。よく七つの何々と言われるものは多くのという意味合いが多いがこの石は緑が基調だが本当に赤青黄紫橙と七彩と呼ぶにふさわしい色合いで日本ではなかなかお目にかかれない。あまりに色彩豊かなので気になりこれまた帰国後調べると天然の石ではなく人工的に作ったものだと分かった。なるほど素晴らしすぎるわ!
このあと昼食を摂り花蓮駅に向かい特急列車で台北へ向かうことになった。2時間50分かかるのは少し長いが車窓を眺めながら列車移動もいいだろう。私とカールはシホねえNsが乗車前にビールをきっと買うだろうと予想したが外れた。「だって夜にいっぱい飲みたいですもん」だって。代わりにといってはなんだが丸純君がシュぱっと栓を開けてぐいっと飲んでいた。私はトイレに行きたかったが揺れるし汚いのではという懸念から我慢することにした。どうにか持ちそうとの思惑もあった。だがようやく着いた台北ですぐに次の移動地である士林夜市に休憩なしで直行するとは思わなかった。「台湾ではスクーター移動が多くて信号待ちではびっくするくらい並んでるよ」などとチンさんの説明もそこそこに早く夜市に着いてくれーと祈っていた。
士林(しーりん)夜市は台北で一番大きな夜市で雑貨、ファッション、食べ物、ゲーム、土産物など地域一帯が夜市の店で出来ている印象だ。なーんて書いているけど、着くなりチンさんに教えてもらってガソリンスタンドにあったトイレを教えてもらい走って行ったのだった。だから私とカールは他の人たちとは別行動で見物をした。観光客も多いが現地の人たちも夜市をよく利用し食事もそこで済ます人が多いらしい。チンさんの話では「台湾では家であんまり食事作らないのよ。新婚さんのキッチンが何年もきれいなままってことよくあるよ」なんだそうだ。私たちは結局ここでも何も買わなかった。手にとってはみるが「別にわざわざ買うまでもないな」ってなるのだ。集合時間になってみんなを見ると服やちょいとしたお土産を買ったりしていた。うちら冷静だあー。夜市で言えば金魚すくいの隣にイモリすくいがあったのにはびっくりした。日本では考えられない。誰か飼う人でもいるんかな。
この後台北老舗の中華料理屋で夕食しその後ホテルに着いた後みんなで近くの夜市に出かけた。そこは台北駅に比較的近い寧夏夜市で他の夜市が観光夜市的なのに対し屋台夜市の典型で食べ物の店がほとんどでとにかく人が多かった。夜市が発展したのは昼間が暑いからだろうとは想像がつく。沖縄も夜になると人の出が多かった。ちょいと味見したくなるようなものもたくさんあったのだがいかんせん夕食摂ったばかりで躊躇せざるえなかった。誰かが焼きそば風のものを注文しテーブルに座ったのでみんなそこに座り他の屋台から買ってきたものを寄せ集めビール飲んでしばらく過ごした。私は「釈迦頭(バンレイシ、シュガーアップルともいう)」という仏像の頭のような形をしたフルーツが気になりこれを買ってみた。これが大当たりで柔らかくて甘く食べたみんなが「美味しい!」と言ってくれた。台東名産のフルーツだそうだがなぜか日本では見たことがない。調べると長期の保存と運搬に向かない理由から日本にはほとんど輸入されていないとのことだ。ならばここで食べる意義が十分にある。買って良かったー。
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