2019年10月26日土曜日

ニショッコは全国区

土曜外来で今日のお付きの看護師は服裂き魔Nsだった。咽頭痛の患者が来るというので彼女は「先生、これをどうぞ」と外来にあったペンライトを手渡そうとした。しかし私はそれを拒否。「これがあるから」と自前のLED式のペンライトを手にした。「ふーん」と服裂き魔Ns。

患者が出た後、私が「外来のペンライトは旧式で暗いんだよ。ほら」と二つを比較して
写真に撮ってみた。すると服裂き魔は「こっちはニショッコみたいですね」と言った。ふん?ニッショコか。なるほど言い得て妙だ。でもニショッコって久しぶり聞いたぞ。すると彼女は「でしょう。先生は私と同じ南薩の出身だから言っても分かると思ってたんだ」とのたまった。「あれ?ニショッコって田舎言葉だって思っているみたいだけど割と全国区みたいよ」と私は言った。「えーー、鹿児島市内では言わないみたい」と彼女は言ったが、実は私も以前はそう思っていた。

漢字で書くと「二燭光」でろうそく(蝋燭)2本分の明るさの豆電球(ナツメ球)のことを指す。部屋の電球を全部消すと暗すぎるので豆電球を付けたまま寝たい時なんてよくある。そんなとき「ニショッコにして」と親に頼んだりしたものだ。でも田舎から鹿児島に出てきた時に友人らとの会話ではあまり聞かなかった。あれは家の中や田舎だけで通用する言葉・・なのかもと。でも、ネットで検索すると「修学旅行の時に周りのみんなが違う呼び方をしていて、ものすごく驚いた!先生が見回りに来るまで、この呼び方について激論を交わしたことを覚えている」なんて書いている人もいた。また、九州のほか東北でも使われたりして意外に広く使われていたようで、織田作之助などは自作で「燭光」という単語をよく使っているとか。

いずれにしても「ニショッコ(二燭光)」は堂々と使っても何の問題もない言葉だ。恥ずかしくて人前で使っていなかった人、これからは堂々と使いましょっ。

1 件のコメント:

  1. ヒトミンチョ2019年11月2日 22:43

    二燭光はいいけど
    電球をデンキンタマというやつもいます

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