そうだ、昨日1月7日のネタを書くのを忘れていた。水曜は外来業務や医療安全の会議などが主な仕事で、昨年10月以降はトマリンDrが来てくれたおかげで、もう一つの仕事「午後の救急外来」の担当は外れ、助かっている。おまけに諸都合で会議は前日火曜に行われ、本来は珍しくも楽な水曜になるはずだった。しかし「そうは問屋が卸さない」(この言葉も古い。昭和の後半なら『そうはスーパが買わない』、令和の今なら『そうはプラットフォーム(Amazon)が買わない』にあたるかも、笑)。
近隣耳鼻咽喉科から喉の奥に魚の骨が引っかかったので取って欲しい、当院外科Drから痔出血で貧血がひどい若者がいて内視鏡で止血処置が出来ないか、夕方近くには部分入れ歯(義歯)を飲み込んでしまったので内視鏡で取って欲しいなどど、どうしても緊急で内視鏡処置が必要な3人の患者がいた。今日の内視鏡担当Drの都合も悪く、内視鏡スタッフが私にと依頼してきたんだ。
魚骨は簡単だろうと気楽に引き受けた。しかし1回目の観察では見過ごして見つからず、「左の喉奥にある」という患者さんの訴えを再確認して見つけることが出来た。↓の画像、すぅと挿入すると見過ごしてしまいそう。
左上4分の1の所にあるやや濃い茶色の筋らしきのが魚骨だ。摘出時は半透明になっている↓ので分かるが初見では気づきにくかった。内痔核の止血は手技自体は簡単だったが、痔だけでヘモグロビンが6台まで下がる(通常は13〜15程度)というのはよほどひどい。排便のたびに出血していたそうで、造血剤を飲むだけでは根本解決にならないと、本日緊急処置をしたわけだ。ピンクの矢印が痔核を結紮した止血ゴム。で、一番大変だったのが部分入れ歯を誤飲してしまった高齢男性のケースだった。昼食中に元々外れかかっていた入れ歯が食事といっしょに飲み込まれてしまったという。2cm程度の入れ歯でレントゲンを撮るとまだ胃の中にあることが分かった。多くはいずれ排便とともに排出され事なきを得る場合が多いが、たまにこの手の入れ歯が腸に引っかかり緊急手術になったケースなどある。小腸まで落ちてしまえばあきらめるが胃の中にあると知れれば取らざるを得ない。そして胃の中にあるといっても実はそれを見つけるのが結構大変なんだ。特に食事の残渣物があるとそうで、この患者さんは野菜いっぱいの味噌汁を飲んでいてなかなか見つけることが出来なかった。そこで喉にオーバーチューブを挿入し胃カメラ入れて、把持鉗子を駆使し、野菜をつかんで出して捨ててを繰り返した。30回以上は繰り返したかな。30分以上経過してようやく入れ歯の金属部位がキラリとひかり見つけることが出来た。それを把持鉗子でつかんでそのまま引き上げようとしたが、これは私の不注意だった。先端が尖ったものは下部食道や咽頭部の狭い部位で接触出血を起こしやすいんだ。案の定出血させてしまい、ここは落ち着いて回収ネットで粘膜を傷つけないようにして回収した。その後クリップで出血部位を修復しようやくすべてを終えることが出来た。1時間半はかかってしまい、すでに就業時間を過ぎていた。いやぁ〜、さすがに疲れた。帰宅し食事の後、日記も書けず、椅子にもたれて明け方まで寝込んでしまった。ただ、一つだけ良かったのは、処置中に「来月、医局会レクチャーが当たっているが、テーマは消化管異物だっ!」と思い立ったことだ。これまで様々な消化器疾患をテーマに語ってきたがこれはなかった。ちょうどいい機会、これまでの消化管異物疾患をまとめてみようか。ふうむ、これも使い古された言葉、「転んでもただでは起きない」ぜー。
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