今日から7月だ。6月はワールドカップ開幕ということでそのネタを7日間も取り上げていた。今月もきっと取り上げるだろうが、日本代表が敗退したことでちょっとはトーンダウンするかな。
今日の診察で「条虫症」の高齢男性がいた。「条虫」と言われてもピンとこない人が多いだろう。寄生虫の「サナダムシ」のことだ。その患者さんはある施設に入居していたところ、そこの職員が患者の便器に長いヒモのようなものが出てきているのに気が付いた。それをスマホで撮影してくれていたので私も診断がしやすかった。
ただこの患者さん、特に症状はなかった。そもそもサナダムシって感染しても無症状のことが多い。しかし時に悪さをすることがあるので駆虫するに越したことはない。「今日の治療指針」で調べると、商品名「ビルトリシド」一般名「プラジカンテル」の600mgを1回1錠飲むだけでよいとある(ただし保険診療は適応外)。あと、死んだサナダムシを排泄させるため下剤のセンノシドを治療前に服用する必要がある。問題は滅多に処方される薬でないビルトリシドが青雲会病院近辺の薬局にあるかだが、病院の薬剤師に聞けば「あるはずだ」とのことだ。ならば出そうじゃないか。職員にきちんとそう説明して処方したのだが、1時間後くらいに電話があった。なんと、近くの「さわやか薬局」が「処方が出せない」というのだ。「なんで?」と尋ねると、薬はあったのだが「期限切れ」だった。滅多に出ない薬だからねぇ。それで改めて注文するとなれば10日ほど掛かるという。他の近くの薬局にも当たってみたがどこも在庫にはなかった。まあ、この駆虫は一刻を争うわけでもないので10日待ってもらって改めて処方することにした。やれやれだ。
サナダムシになぜ感染するかだが、汚染された肉を調理が不十分な状態で摂取することで感染が成立するらしい。また魚の生食でも感染することがあるらしい。そう言われれば思い出した。もう58年前の小学3年の時、当時は寄生虫検査が毎年必ず行われていて、ギョウ虫や回虫の感染が多かった記憶があるが、1回だけ担任の先生(中年男性)がある男子生徒を名指しで「(この生徒には)回虫がいた。これくらいの長さの虫だ」と手を広げて、言い放ったことがあった。びっくりしたが、言われたその生徒は恥ずかしさと悔しさでいっぱいだったのではないか。当時は野菜に使う肥料にも人糞が使われることもあり、それで寄生虫感染も多かった。それは仕方なかったとしても、先生の発言ときたら、個人情報の扱いが杜撰な上に人権無視もひどい。ただ、それが当たり前の時代だったのだ。
寄生虫の話題一つとっても「時代は変わった」と思ったよ。
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