午後、外来業務をしていたら、こえたせいNsがやって来て「先生、中山・・美穂が死んだってー。TVでやっている」と 教えに来た。瞬間、「ああ、ボウリングの女王の中山律子も死んだのかぁ、そう言えば著書の中で膠原病に罹っていると書いていたもんなぁ」と頭の中に「さわやか律子さん」の顔が巡った。いや待て、中山美穂だって?ミポリンの方かい!
すぐにネットで検索してみる。YahooにもGoogleにも「中山美穂死亡」の文字は出て来ない。こんな時はまだTVに分があるなー。しかしまだ50歳代のはずなのになんで亡くなる。徐々に情報が入って来て自宅浴槽で亡くなっているのを事務所関係者が発見したのだとか。自殺や事件ではなさそうだ。循環器系の病気でもあったのだろうか。
中山美穂は私が大学卒業し医師になった1985年にデビューし、アイドルから女優、そして歌でも人気を博していたが、どうも私のタイプではないようでそんなに興味を持ってTVや雑誌などは見ていなかった。ただ、歌の「色・ホワイトブレンド」と映画「Love Letter」は印象に残っている。研修医になって2年目のころ、ドクター仲間で飲み会に行き、二次会のカラオケで彼女の持ち歌「色・ホワイトブレンド」を同期の女医「無駄な蛾」さんが半ば強要されて歌ったところ、案外それが楽しかったようで「カラオケ、楽しい〜」と喜んでいたのが印象深い。親のあとを継いで孤島でクリニックを営んでいる無駄な蛾さんとも30年近く会っていないことを思い出した。
そして彼女の映画の代表作「Love Letter(1995年)」だ。岩井俊二監督の劇場用長編映画監督第1作で豊川悦司と共演した。「地面師たち」でのこわ〜いトヨエツじゃないラブロマンス作品で4年後韓国で公開され、日本映画として初のヒットをした。劇中のクライマックスでミポリンが雪中「お元気ですかぁ〜」と叫ぶシーンは有名で韓国では日本語のまま流行語にもなった。つい1、2年ほど前のYouTubeでもこの前紹介した「イキテルTV」でYouTuberたちが「Love Letter」の舞台小樽を訪れ「お元気ですかぁ〜」と言うシーンがあり、私はにやりとしたな。韓国人は北海道に行くと小樽に行きたがるし、私の意見では「冬のソナタ」でのチェ・ジウ演じるユジンの役設定が影響を受けている(放送部なのにスケッチブックをよく手にしていた)と感じるし、2008年の「甘い人生」というドラマでは主人公の女性がLove Letter」の本を持って小樽を訪れるシーンもあった。いまだに韓国では冬になると見たい映画の1位、雪が降ると思い出す映画の1位に選ばれるなど、韓国人に愛されていて、中山美穂演じたこの映画の影響力の大きさは日本人が思っている以上なのだ。訃報を聞いた岩井俊二監督は「来年の2025年は『Love Letter』30周年で雪のあるうちに一緒に小樽に聖地巡礼しようと約束していた矢先だったのに、悔しい想い、無念な想い、様々渦巻くけれど、まだご冥福をとか、極り文句は口にしたくない思いもあり・・今夜は気持ちだけですが、あなたの側に居ようと思います」とつづっていた。
皮肉にも「お元気ですかぁ」ではなくなったミポリン。私は「色・ホワイトブレンド」を聴きながら、ご冥福を祈りつつ、日記を書くことが出来た。
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