2020年11月21日土曜日

たった2局で天国から地獄へ

 今日で4週続けて土曜日勤務だった。だが患者が少なくぽつぽつ外来だった。あんまし余裕がありすぎて合間に11月17日分のこてる日記「ネコと武田信玄に相通じるものとは」を書き上げてしまったくらい。

しかしそんなに甘くはないのが青雲会。下血の高齢女性患者が来ていて最初はいつもの虚血性大腸炎かなと思ったが下血のパターンから憩室出血を疑った。土曜で午前までということもあり、ニフレックやモビプレップなどの前処置なしで大腸内視鏡を挿入した。血液が大腸全般にこびりついていて「上行結腸の憩室出血か」と大腸深部を探るもはっきりした出血源がない。よーく見るとバウヒン弁から血が出ているのを見て「小腸出血だったか」と驚いた。大腸と比べ小腸からの出血は滅多にない。

回腸(小腸)末端を探ると新鮮血がじわじわ出ている。その血が多すぎて出血点がよく分からない。そこでHSE(高張エピネフリン液)を粘膜に注入し出血を抑えると小さな憩室から出血しているのが分かった。よし!これで止められる。憩室出血は出血点が分かれば勝ちだ。クリップを掛けて一件落着となった。ただ入院は必要でその指示を出したりなんかで病院を出たのは13時半を過ぎていた。急がねば!

というのもいつもの見せたまえ雀荘での麻雀の約束があったからだ。今日は7年ぶりにアンベ君と打つ。遅れるわけにはいかない。私が麻雀を復活できたのは8年前で当時の眼科のドクターだったOhツカンネ先生やアンベ君のおかげでもあった。彼らと打ち、久々に麻雀の楽しさを味わい、OhツカンネDrやアンベ君が転勤でいなくなった後も昔からのサブアラド、見せたまえドクターらと麻雀を打ち続けている。

さて、アンベ君、最初は久しぶりでもあって何かしら固く、ビリからのスタートだった。3回戦までずっとマイナスだったが4回目の半荘でトップを取った。さらに続く半荘もトップ、さらにさらに6回目も序盤で大きく上がりずっと4万点以上維持しオーラスを迎えた。で、ここからドラマが始まる。アンベ君は上がればトップのため早鳴きし聴牌気配だった。そこで私が満貫手のリーチ。上がっても浮かないが2位にはなれる。アンベ君は私に満貫を振っても3コロのトップという有利な状況だ。危険牌を握ったか少考の後、私の当たり牌6ピンを切ってきた。「ロン!」「ロン!」え?

何と、親の見せたまえ5800点とのダブロンだった。私への満貫だけならば終わるはずがこれで彼の持ち点は3万を切りオーラスが続くことになった。それでも2万7千ほどあり彼はまだトップ目だった。

次局。9巡目にアンベ君がリーチを掛ける仕草を見せた。しかし思いとどまってそのまま6万を切った。(↓は6万を切った直後のアンベ君。ううむと迷いがあった様子だ)


場が緊張する。その6万を親の見せたまえがポンしてそのまま場は進んでいった。明らかにアンベ君は聴牌している。3千点以上上がればトップだ。親も聴牌気配で、私は苦しい状況ゆえにノーテンで海底を迎えた。海底牌を握った親の見せたまえは「あーこれは槓出来ないな」と言いつつ6万を河に捨てた。

「ロン!」とはっきりアンベ君は言った。トップ宣言のような言い方だった。あーと私は思ったが、見せたまえは「ええ?それはないよ」と抗議した。「ほら・・」と。

6万はアンベ君が自ら捨てた牌、すなわちフリテン牌だ。上がることは出来ない。しかもはっきり「ロン」と宣言したということは誤ロンでチョンボ、親に4千、子に2千ずつ罰点を支払わねばならない。あちゃー。

実はアンベ君、聴牌した時の手は待ちが間3万でリーチしても役はリーチのみ1300点で上がっても3万越えせず手変わりを待ってのだ。その間に当たり牌は見せたまえが3枚も切っていた。私ならたとえそうでもリーチしていたナ。それはともかく、終盤になってアンベ君、5万を引きこれで36万待ちのピンフ役が付いた。そんな中、海底で6万が出たものだからフリテンなのを忘れ誤ロンしてしまったのだ。これで持ち点1万9千とラスに落ちたアンベ君、次局2万7千になった私が2千点プラス積み棒で3千2百をアンベ君から上がり、ギリギリの3コロトップを取って終わった。

結局、10回戦まで戦い、アンベ君は負け、私は勝った。この場面がなかったら結果は逆だった可能性が高い。麻雀は怖い。オーラスのたった2局で天国から地獄に落ちるんだから・・。

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