「今日あたり花でも見に行こうか」カールとそう言っていたのに朝からずっと雨が降っていた。おまけに少し肌寒い。
で、結局今日はずっと家の中だ。ならばセンバツ高校野球でも・・あいちゃ、雨で順延だと。全くついていない。
そんなこんなでネットやビデオでだらだら過ごすことと相成った。ただ何の拍子でチェックしたのかすでに思い出せないが、フランスの有名歌手シルヴィ・バルタンのビデオを見て感激というかおおきな溜息をついた。
シルヴィ・バルタンといえば1964年の世界的大ヒット「アイドルを探せ」やTVCMや映画主題歌の「あなたのとりこ」などで今でも曲をよく耳にする。特に「アイドルを探せ」は高校時代からよく聴いていた。フランス語で何を言ってのか全く分からないのに歌っている彼女の気持ちが伝わってくる。そして何度聴いても飽きが来ない。つまりは名曲ということだ。その曲を当時19歳の彼女がコンサートらしき場面で歌うビデオがあった。初めて見たのだが白黒画面なのにブロンドの短めの髪がよく似合い、初々しくステップを取り歌う姿がなんともキュート!アイドルと言う言葉が使われ始めた時代で「アイドルとはこのシルヴィ・バルタンのことだ」と思わせる力がある。
特に私がハッとなったのは舞台に立つ直前の彼女の表情、仕草だ。タバコくわえた舞台マネージャーのおっさんに背中を支えながらの緊張感と若干の決意を秘めた表情、いいねえ。その後のアップになった情感溢れるお顔、すきっ歯で付け睫毛でものすごい美人というわけではないがとても引きつけられるんだ。
「私たちはまだ子供だった。彼らにとってオランピアのステージに立つのは初めてで、とても興奮していたわ。彼らはすごくモダンで、無法者に見えた。今からすると、可愛いものだったけどね。私も彼らも若くて元気だったから、ショーが終わった後、みんなでダンスに行ったりしたわ。どんな会話をしたかは、あまり覚えてない。昔のことだしね。彼らの誰かに誘われたという記憶はないわ(笑)」だって。
シルヴィ・バルタンは一発屋なんかではなくその後も第一線でずっと活躍し続ける。日本で言えば松田聖子あたりが彼女に匹敵するかな。結婚して子どもを産んで離婚したところなんかも。ウルトラマンのバルタン星人の名前は紛争地域だったバルカン半島と放送前年(1965年)に来日した彼女の名前からインスピレーションされている。彼女は実はフランス出身ではない。ブルガリア生まれで8歳の時に家族でフランスに移住した。バルタンという姓はブルガリア由来だったわけだ。しかし差別的な扱いは受けなかったようで「フランス人は芸術に対してハングリーだし、国外の文化もオープンに受け入れようとする。ピカソだってスペイン人だけどフランスで成功したし、大勢の日本人の芸術家が活躍しているわ。私もフランスで歌手生活をしていて、常に暖かく迎えられた。“エイリアン=よそ者”扱いされたことはなかったわ」と語り、実は来日の際、バルタン星人から花束贈呈もされ、「去年(2013年)あなたに花束を贈呈したエイリアン・バルタン=バルタン星人のような扱いは受けなかったわけですね」には「そうね。彼と私はルックスもあまり似ていないし、受けた扱いも違っていたでしょうね」と軽くかわしている(笑)。
シルヴィ・バルタンのことを語ればいろいろ尽きず、今回彼女のベスト盤をネットで注文したよ。内視鏡室で「あなたのとりこ」が映画で使われた動画を見ていたら佳及Nsが「先生、なんで『ウォーターボーイズ』を見ているの?」ときた。「いや、曲の方を聴いているんだよ。シルヴィ・バルタンって知っている?」「えー、知らない」だ。ま、だろうな。そんなわけで私がまたネットで披露したくなるわけだ。つい昨日キリンビールのTVCMを見ていたら「あなたのとりこ」が使われていた。発売後50年以上経ってもこれだからやはり名曲。すごいね。→https://www.youtube.com/watch?v=Of0DyhK-OT8この曲の後に70歳過ぎた彼女が「アイドルを探せ」を歌うシーンが出てくる。若いときは違う魅力がある。やはりすごいお方だ。
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