2017年10月24日火曜日

憩室出血に勝つ

一昨日の大腸憩室出血患者の二度目の大腸内視鏡をした。予定通りではあったが、ことは急を要した。というのも朝から再下血し血圧が低下気味だったからだ。ただ内服の水様下剤で腸管洗浄はしなくてはならない。ある程度便がきれいになったところで大腸内視鏡を開始した。見れば新鮮血がいっぱいだ。今日こそは出血源を突き止め止血しちゃる。しかしあまりに血だらけで観察がしづらい。患者が「いったんスコープ抜いてもらって排便しましょうか」というのでそうしてもらうことにした。これで確かにはるかに見やすくなるはずだが、立ち上がりトイレに行ったその代償として患者は床にへたり込み意識がもうろうとなり出血性ショック状態になった。点滴速度を調整し意識が改善したところで再度内視鏡検査再開した。取り寄せたばかりのフード(MHー589)をうまく活用し憩室を吸引、反転させる。すると活動性出血しているらしき憩室があった。反転すると露出血管がありじわりと出血している。よし、見つけた。これで勝った!
(↓本来凹んでいるはずの憩室が逆に飛び出していて見やすくなっている。こんな小さな1mm程度の出血点が大の男をへたらせる、消化管出血って怖いもんである)

クリップを掛けこれでも止血できたが念を押すためゴム結紮も加えた。これで万全。出血点さえ見つければこっちのものさ。

ショックを起こしてすこし危なかったがこのまま放置している方がずっと危ない。思い切って検査してよかった。それと憩室反転に有用なフードも使ってよかった。何かいい方法はないかと調べたおかげ、医者は常に勉強だ。

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