2017年10月13日金曜日

福岡学会2日目

宿泊したのは博多駅近くの小さなビジネスホテルでホテル日航福岡の近くだった。学会会場へのシャトルバスのターミナルが日航にあるので便利なんだ。だが8時半すぎに行ってみたところ、すでに多くの学会出席者が並んでいた。とても1台に乗りきれる数じゃない。順序よく並んで2台目のバスにようやく乗ることが出来た。9時半以降にデジタルポスターの発表があるのだが、メイン会場で参加費払ってポスター会場のマリンメッセ福岡に着いたのは開始時間を過ぎていた。

下部消化管出血のコーナーに行き、大腸憩室出血を中心に聴く。私がよく使うゴムバンド結紮法(EBL=Endoscopic Band Ligation)の発表もあるが施設によっては全く使わないところもありまだ遠慮しているというか踏み切れないところも多いんだなと思った。しかしどこも憩室の出血点というか出血責任憩室の同定に苦慮しているようで、あるお偉い先生は「うちは初回出血部位の同定は2割くらいでいい年で3割程度と惨憺たる成績なんですが何かいい方法はありますか」と発表者に質問していた。そうそう、そこが大変なんだ。そこ(出血部位)さえ分かればクリップ止血だろうがバンド止血だろうがあとはそれほど苦にならない。分からないからこそ「再発が多くて大変・・」とか「血管内治療も効果があるが」という話題になる。いっそのこと止血部位特定をあきらめバリウムを散布して憩室出血を予防するという方向に走る施設もある。また内視鏡検査前に造影CTをするとある程度出血部位を特定できるという発表もありそれは試してもいいかなと思った。それでも同定率は30%台というから憩室出血治療の難しさはなかなか進んでいない。

このほか非常に面白かったのが難治性のクロストリジウム腸炎に糞便細菌叢移植が奏功した例でこれは主に海外で話題になっている他人の糞便を腸管に撒いて腸の炎症を改善させるという治療法である。青雲会病院でも偽膜性腸炎などクロストリジウム由来の腸炎患者は多くたまに治療が長引く例がある。承諾を得て家族、親族の糞便をもらい生理食塩水に溶かして大腸内にふっかけるだけの治療だ。それでピタッと以降下痢などの症状が止まっている。意外に簡単なんだけど倫理委員会の承諾を得ねばならい点や糞便を治療に使う心理的な障害が面倒だ。しかしそれが有効なら試してもいいかなと思った。

マリンメッセでは商品展示もあってこれは毎回楽しみでもある。大御所のオリンパスはEndocytoという内視鏡で画面を超拡大500倍も見ることが出来てそのまま病理診断が出来る機種を発表していた。これは・・すごいが、病理知識をもっていてかつばりばり内視鏡をするDrが必要で大普及はしないかな。それより総胆管結石を排石するための渦巻き形状のスネアが有効そうで欲しいと思った。相変わらず肝炎治療のブースもにぎやかで私は仕事ではこれには全く関与していないが、飲み物を提供してくれているのでさも興味あるふりしてブルーベリージュースや南アルプスの天然水などゲットした。いや、喉渇くけど意外に飲み物自販が近くにないんでこんなサービスは助かるんだわ。

夕方までいてそそくさとホテルへ帰りしばし仮眠。学会は結構疲労もするんだよねえ。



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