2014年3月15日土曜日

リトルミイの名言・・・ってか

フェイスブックに某知り合いから「ムーミン リトルミイの名言が、深すぎる・・」とのタイトルで投稿があった。リトルミイとはムーミンに出てくる小柄でタマネギ頭のちょっぴり意地悪そうな顔をした女キャラでみんなもきっと見たことがあると思う。それでどんな名言なのかと読むと箇条書きにたくさんあってそのうちいくつかを披露してみよう。

1.
何とかなる。それは、やることをちゃんとやってる人のセリフ。

2.
時々、誰かに言われた言葉がチクッて刺さってイラッてするときあるじゃない。それね、本当のこと言われてるからよ。

3.
忙しい忙しいって言う人いるじゃない。きっと頑張っているわねって褒めてほしいのよ。だからこう言ってあげたほうがいいわ。時間の使い方が下手ねって。

4.
あなたね、決断力がないんじゃなくて、決断する方法をしらないだけよ。あのね、いい方を選ぶんじゃなくてあなたが思う方を選ぶのよ。最初はいろいろ失敗するわよ、あなたバカなんだから。でもそのうち自然といい方を選ぶようになっていくわよ。最初からうまくやろうなんて自惚れてるんじゃないわよ。

5.
逆よ、全く逆よ。自分と向き合うにはひとりになるんじゃないわ。いろんな人と関わりあうのよ。お友達とおままごとしろって言っているんじゃないの。自分の知らない、自分を知らない人たちと関わりあうのよ。見えてくるわよ、本当の自分が。

・・

8.
縛らないことよ、自分で自分を。わたしはかわいい、わたしはブス。わたしは賢い、わたしはダメ。わたしはモテる、わたしはモテない。あなた、自分をすぐ何かに決めつけようとするでしょ。本当の自分を見つけるのはもっとずっとずっと先の話。今することは、一生懸命迷うことよ。

9.
新しい生活、その不安ね。大丈夫よ、全然、大丈夫よ。いま考えてもしかたないじゃない。何かあったらその時に考えればいいのよ。本当にそんなものよ。それで意外とうまくいくのよ。

・・

11.
女ってね、時々、好きな人といたくて。時々、好きな人の前から消えたくなるの。それをわがままっていう男とは、一緒にいれないわ。それをかわいいって思う男とは、長くいれそうね。

・・

15.
一生懸命努力してるのに報われないじゃない。努力の量が足りないんじゃなくて、仕方が間違ってるんじゃない。

16.
迷わないことが強さじゃなくて、怖がらないことが強さじゃなくて、泣かないことが強さじゃなくて、本当の強さって、どんなことがあっても、前をむけることでしょ。前をね。

17.
はじまるわね。新しい場所、新しい事、新しい人。大変よね、不安よね。あのね、少しだけ思い返してみて、離ればなれになった友達を。道は違うけど、同じ不安よね。だからこう思って。みんな頑張って、わたしも頑張るよって。きっとね、みんなもあなたを応援してるわ。さあ、頑張りなさい。

どうだろう、どれか一つ、いや二つ三つ、もしかすると全部が心に突き刺さり、でも納得、合点し元気をもらえるような気にならないだろうか。私はこれらをワープロソフトPagesに保存しておいた。何かに使える、そう、例えば今日の日記ネタにでもとねー。

ただ、こうして日記に書くに当たってこの「名言」の原典というか由来をきちんと調べておこうと思った。何か引っかかるものがあったのだ。するととんでもないことが分かった。何とこの名言、リトルミイが言ったという証拠は何もなく全くの創作であったのだ。1年ほど前にtwitterでリトルミィbot名義で誰かがこれらをつぶやき、評判になると昨年5月には赤猫リブリビィと名義を変え、9月には扶桑社より『赤猫リブ・リビィの“強くなれる賢者の言葉”』という本を出版しているのだ。この本をプロデュースした著述家で編集者の石黒謙吾氏は、やはりTwitterを通して「赤猫リブリビィ」の存在を知り、「素晴らしい言葉ばかりだったので、本として残すべきだと思った」と言っているが額面通りには受け取れない。普通に考えれば石黒健吾氏の仕込み、ヤラセでtwitterでリトルミイの画像なども使い一般ピープルにはそれと信じ込ませ(誰かも分からない人の言葉よりその方が受け入れられるでしょ)出版時にはさすがにムーミンの版権もあるし別名で出すという手口だ。「ツイッターで大反響を呼び、3か月でフォロワー10万人超!」との宣伝文句もあったらしいがどうにもあざとい印象を受ける。

まあそれでもリトルミイいや赤猫リブリビィの名言が支えになっているとかでれば信じるのもいいだろう。誰の言葉であってもその人の人生に役立つものであれば文句を言う筋合いではない。

私は原典がウソであると知ったときすぐに例の一件を思い出した。それも日記ネタにしたことがある。それはノストラダムスの大予言のことで「1999年7月人類は滅亡する」という衝撃的な予言が話題になり昭和40年代後半に100万部を越えるベストセラーになった本のことだ。マスコミでもしょっちゅう出てきたしみんなの話題にもなった。続編も出た。高校時代が過ぎ大学1年になったころはさすがに下火になっていたが、ちょうど鹿大が第1回古本市というのを始めそこで100円くらいで売られていたので初めて買って読んでみたのだった。最後まで読んで私は確信した。「なんだこれ、単なるこじつけの解釈でどうでも取れる変な予言詞を著者五島勉がおどろおどろしく書いただけ」なんだと。最初にどんなにノストラダムスの予言が当たっているかの事例を羅列していて読者に信じ込ませ最後に怖い予言を提示していたが、いくつもの事例そのものが大人の目でみればこじつけそのものだった。私はこの本を読んでみて返ってなーんだと安心しやがて来るであろう1999年は気にしなくなった。しかし中にはどうせ世界が終わるんだからと真に受けていた人もいるらしい(本当か?)。

少なくともこのようなケースで言えるのは、新たな事実や珍しい説には原典、原著を確認すべきということである。

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