2026年5月23日土曜日

A stitch in time saves nine.もしくはAfter death, the doctor.

今月二度目の土曜外来担当だった。わりに患者が少なく、それぞれじっくり診察が出来たのはよかった。印象に残っているのは70歳代の男性患者で、問診表には「腹部、腰背部の痛み」とあった。ふむ、これだけではいろいろあり過ぎて何の病気かなど予想はつかない。まずは診察室に入ってもらわねばー。

でも、この患者さん、痛みの場所を見せる<視診>だけですぐに診断は付いた。痛みも3日ほど前からあったのだが、付き添いの奥さんが「(主人は)なかなか病院に行きたがらなくて・・」とのことだった。↓に画像をアップしよう。

「帯状疱疹」である。ただ若干典型的でないのは、すでに水疱がつぶれて、いや本人がつぶしてしまってひっかき傷も多数あったことだ。「ピリピリした痛みがあって、最初はそんなに痛くはなかった」と男性はおっしゃる。腹部側の方がより分かりやすいかな。
すぐに抗ウイルス薬を1週間処方したが、後遺症で痛みが残ったり、瘢痕が残ったりするとやっかいだ。身内のケースでは沖縄のヨーコバーバが帯状疱疹後遺症を起こし、それを見たカールが「ああなったらイヤだ」とワクチン接種を積極的に受けるきっかけになった。その患者さんの奥さんは「(夫は)ワクチンも受けようとはしてなくて」困ったものだという表情だったが、受診すらしたがらない人が予防接種などに来るわけがないよな。

病院に行きたがらない人は結局ひどくなってから来て、治療も面倒になることが多い。帯状疱疹は命に関わることはまずないが、病院を避け続けていたら実は癌だったなんてことになったらそれこそ命取りだ。英語のことわざに↓のようなものがある。

A stitch in time saves nine.

時を得た一針は九針を省く。(今日の一針、明日の九針)適時に1回縫うことで、将来的に9回縫う手間が省ける、つまりは「小さな問題も、早いうちに対処すれば大きな手間が省ける」「転ばぬ先の杖」という意味。

もっとズバリ言うわよならば↓はどうだろう。

After death, the doctor.

死んだ後の医者。(死人に薬。後の祭り)つまりは、事態がすでに終わったり手遅れになったりしてから、解決策や助けを出しても役に立たないこと


洋の東西を問わず、何事も些細なうちから、あるいは何もないうちから用心するに越したことはない、ネ。

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