2026年7月27日月曜日

大腸癌で死なない方法

夜、NHKを付けていたら「東野圭吾さん大腸癌で死去」の一報を目にした。68歳だったと。思わず「えっ!」と声が出た。東野圭吾作品といえばここ30年ほど日本で一番小説が売れていると言っていいのではないか。それくらいの有名作家だ。うちにもカールや子どもたちが読んだ文庫や単行本が何冊もある。私が読んだのは直木賞を取った「容疑者Xの献身」だけではあるがー。ミステリーを中心に106冊も刊行し、特にドラマや映画の原作にもなり収入も名誉も作家としては最高ランクの人生を送っていたはず・・しかし大腸癌で亡くなるなんて。
おそらくは氏にしてみればまだまだ書きたい本がいっぱいあったろうし、やりたいことも楽しみたいことも数え切れないほどだったはず。ただ、私に言わせれば大腸癌で亡くなるのはとっても悔しいことなんだ。なぜならほぼ完全に対処出来る癌の一つだから。私は大腸検査をするかどうか迷っている患者さんにはよく言う、「大腸癌で亡くなる人には一つの共通点がある」と。答えは簡単で「それまで大腸内視鏡を受けたことがない人たちだ」である。食事や生活習慣よりそれが一番大事なポイントなんだ。しょっちゅう言っているのでこの日記でも前にも書いた気がする(→「2025/4/15大腸癌から命を守る治療で日本は負けている」https://koteru-nikki-2015.blogspot.com/2025/04/blog-post_15.html)。

氏が大腸内視鏡を受けたか受けたことがないかは正確には知らない。しかし定期的にいや10年ほど前にでも一度でも受けていれば「大腸癌で亡くなる」ことはなかったはずなんだ。つい最近、ダウンタウンの松本人志62歳が「血便が止まれへんって言ってたでしょ。病院行ったら、めちゃめちゃ、癌やってん」「死ぬかと思った」「人工肛門作った(彼の場合は一時的な人工肛門でいずれ腸につなぎ直して閉鎖する予定)。」「前代未聞の腸が飛び出た芸人」としてお笑いを続けるつもりなどと語っていたそうだが、彼一流のお笑いに転化することはらしいとはいえ、本来は笑い事ではない。
そうだ、元将棋の棋士で今は株主優待で有名な桐谷広人さん76歳も「前立腺癌の精査治療の過程で大腸癌が見つかりそちらの方が重症で手術を受け抗癌剤治療も受けている」とつい最近明かしたのだ。前立腺癌の以上数値を7年も放置していたとかで、いくら株主優待を受けていても命まで優待は受けられないんだよ〜。
一月ほど前、かなり若い人(30歳代半ば)が右季肋部が少し痛むといって私の外来を受診した。その日のうちにCTを撮ってみて驚いた。すでに末期の転移性肝臓癌だったのだ。数日後、胃と大腸を検査して原発が大腸癌と判明した。このケースでは単純に「不幸だった」と言わざるを得ないが、防ぐチャンスがあったかと言われれば、30歳過ぎた時点で大腸内視鏡を受けておけば・・である。大腸癌はかなり進行しないと症状が出ないことが多い。大腸癌で死にたくなければ30代で大腸内視鏡を1回受け、その後も10年に1回程度でも受けてくれれば2025/4/15の日記に書いたように大腸癌ではほぼ死なないと言える。

幸か不幸か、有名人の方々が大腸癌であったことが世間に知らされている。「まあ、可哀想」「まだ活躍出来たのに」で済ませず、ぜひ大腸内視鏡を受けて欲しい。きついかもって?ハハ、癌になって手術や抗癌剤を受けるより100倍も楽ですって。これホント。たった半日、検査のために時間を作るだけ。ほとんどの人に検査の痛みも感じさせませんからー。

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