2026年7月25日土曜日

「マンジャロは使えないですか?」

今日は月1回程度組まれる土曜外来の日だった。土曜日だと平日には来ない患者さんらを診察することが多い。その60歳代女性もそうで、しかも血圧や高コレステロールの内服をしばらく飲まずに放置していた人だった。そこで採血をすると案の定コレステロール値が上昇していて、私は「ちゃんと内服をするようにしましょう。そもそもコレステロールは食事の影響よりも体質がかなり関係しているんです」と言い、内服することで普通の体質の人と同じようになると説明した。

その人は慎重は151cmで体重は61kgとややぽっちゃりかなという程度だが、身長171cmで体重81kgの私とコレステロール値を比べると明らかに彼女の方が高いのだ。BMIは彼女が26.7で私が27.7と私の方がやや肥満なのに・・。だから食事や肥満でコレステロール値は決まらず、その人の肝臓の働き具合、つまりは体質が大きく影響するとお話し、改善するには薬の内服が一番有効であると説明をした。それはまあ分かってくれて、今回内服中断していた抗コレステロール薬と降圧剤をまた出すことにしたのだが、その患者さんはこんなことを言ってきた。

「マンジャロの注射など使えないですか?」

ははあ、最近話題の糖尿病治療&痩せ薬のマンジャロと来たか。マンジャロ(一般名チルゼパチド)は、週に1回、皮下注射して使用する2型糖尿病の治療薬で、GIPとGLP-1という2つのホルモンの受容体に同時に働きかけ、血糖値を下げるだけでなく、食欲を抑えて体重を減らす強い効果も持っている。その食欲抑制効果を利用して肥満の治療にも使われ保険外診療で処方する医療機関やネット販売もあるなどし、流通不足や副作用などの問題も起きている。
実はマンジャロは糖尿病と診断されないと保険では処方は出来ない。しかし、全く同じ成分(チルゼパチド)で別名のゼップバウンドという薬品がある。名前が違うだけでマンジャロと成分も用量も全く同じだ。こちらは保険診療では肥満症および中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群にしか使えない。美容目的のダイエットはマンジャロ同様、保険適用外となる。その肥満だがなかなか条件が厳しくてBMIが35以上ないと処方出来ないのだ。BMI35ってどのくらいというと、ざっと身長150cmで体重80kg弱以上、160cmで体重90kg程度、170cmで体重100kgオーバーだ。

その患者さん、「私は太っているから〜」と言いたげだったが、マンジャロと同じゼップバウンド(チルゼパチド)を使うにはまだ20kg弱も体重が足りない。そもそも肥満度は日本肥満学会の基準では1に過ぎない(ちなみにBMI27程度の私も肥満度1である)。ただBMI27以上で、高血圧・脂質異常症・糖尿病など関連する健康障害を2つ以上合併しているとかろうじて保険で処方は可能になる。彼女は糖尿病はないしBMIはぎりぎり27以上を満たしていない。

そう噛んで含ませるように説明して内服と薬に頼らないダイエットでやっていきましょうとお話し診察を終えた。で、私はカルテに↓のように書いた(笑)。

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