昨夜の当直はトマリンDrだった。実は彼は来週から青雲会病院の内科の常勤医になることが決まっている。この4ヶ月ほど毎週木曜夜当直をしてもらっていて、常勤医へと可愛いんだ理事長や私が誘ったところOKしてもらえた。今年4月以降、内科の外来病棟救急を担当するドクターがやや手薄だったので大いに助かる。
その彼が数人入院患者を受け入れていた。そのうち中年男性の腹痛患者を私が引き受けた。最初は腸閉塞かもとのことだったが、どうも急性腸炎のようである。さらに今日の午後、20歳代男性患者が発熱、腹痛で外来受診して来た。診察、採血したところ、やや炎症反応上昇があり、腹部CTを撮ってみた。その画像で回盲部からその周辺の腸管粘膜が肥厚しているのを見て、私は患者に尋ねた。
「数日前、鳥刺しを食べなかった?」「はい、火曜日(9月30日)に食べました」「あは〜」
これ、おそらくはカンピロバクター腸炎だ。実は昨夜の入院患者も「4、5日前に鳥刺しを食べました」ということだった。同じくCTで回盲部付近の粘膜肥厚があった。カンピロバクター腸炎は、生や加熱不十分な鶏肉などでその細菌に感染することで発症する腸炎で、主な症状は、腹痛、下痢、発熱、頭痛、水様下痢のほか、時に血便が出ることもある。潜伏期間は2〜5日なので今回の2人はその点でも当たっている。菌は鶏の腸管に存在しており調理の際に肉にくっついたりし熱を通さない調理法で摂食すると感染発症してしまう。鹿児島は鳥刺しを食べる文化があり、入院患者は神奈川在住で鹿児島の叔父のところに来て食し中(あた)ってしまったようだ。↓は美味しそうな鶏刺し料理。
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