ドジャース先発はグラスノー、フィリーズはサンチェスで、ともに好投しなかなか点が入らない。7回に入り、ドジャースは投手をグラスナウからシーハン(NHKではシーアン)にスイッチした。これを自身のYouTubeリアルタイムチャンネルで武田一浩は非難していたな。「動きがない時に先に動くと点が入ってしまうぞ」って。「あと1回、グラスノーに投げさせるべきだった」というのは、まあそうだったかもしれない。ただ、後で映像を見ると、グラスノーは脚がつりかけていた。交代は仕方なかったかと思われる。結局、武田が言うように、試合に入り込んでいたグラスノーと違ってシーハンはそうではなかった。ダブルプレーに取れたベッツからの送球を捕り損ね、結果ランナーが生き残り、タッチアップで1点を先制されてしまった。
しかしその裏、あまり打てていないドジャース打線だったが四球と安打で2死二、三塁の好機をつくり、次打席で大谷を迎えた。大谷はこのシリーズ全くていっていいほど打てていない。勝負すべき場面かとも思われたが、フィリーズベンチは申告敬遠を決断した。このあたりが大谷という存在がかなりのものだって分かる。結果、その選択は裏目に出た。次にベッツがリリーフの160km越えの絶対的クローザーのデュランから冷静に押し出し四球を選び、すぐさま同点に追いついたからだ。ストライクを投げていればさすがのベッツも打てずに3アウトチェンジだったはず。しかし満塁策ゆえに万一打たれたら一気に逆転されてしまう。きわどいところに投げざるを得ず、結果押し出しの同点になった。
この後、どうなるかと思ったら、8回から佐々木朗希が出てきた。当初、8回9回をドジャースベンチは彼に任す予定だったらしい。その期待に見事に応え、完璧にフィリーズ打線を抑えた。追い込まれると落差の大きいスプリットがあるので相手も早打ちに出たが佐々木のストレート(フォーシーム)が160km前後の上にスピンが効いていてバットの芯に当たらない。凡打となり8球、10球と少ない球数だったこともあってか延長10回も任された。そしてこの回も3人で片付け、完璧なリリーフぶりを見せつけた。こうなったら後攻めのドジャースに分があるよな。
だが、極度の緊張場面、とっさに判断ミスを犯すのはままあることなのだ。似たようなケースは高校野球甲子園でもあった。2014年の1回戦、鹿屋中央対市和歌山戦だ。1対1の延長12回裏、鹿屋中央は三ゴロエラーを足場に犠打と、山下亮太の安打で1死一、三塁とチャンスを広げる。だが、次打者・米沢佑弥の打球は併殺コースの二ゴロ。市和歌山の内野陣は、中間守備を取っていたので、バックホームで決勝点を阻止するか、4‐6‐3の併殺で一気にスリーアウトチェンジを狙うか、二者択一のいずれかと思われた。直前の守備のタイムでも「まず本塁で刺す。状況次第では一、二塁で併殺」と確認したばかりだった、打球を処理したチームきっての名手・山根翔希も「本塁に投げるつもりだった」そうだが、「球場全体の声が敵のように向かってきて、頭がパニックになった」と冷静な判断力を失い、「知らない間に一塁に投げてしまった・・」この送球の間に、三塁走者が生還。打者走者・米沢も「全力で走って、後ろを向いたら試合が終わっていてびっくりした」と信じられない表情になる珍サヨナラ劇となったのである。試合後、山根は「自分のせいで台無しにしてしまって申し訳ない」と涙にくれたが、エースで主将の赤尾千尋は「あいつの守備にこれまで助けられてきた。あいつで終わったなら、仕方ない」とチームメイトを思いやった。
確かに最後は判断ミスで負けてしまったが、そういう場面にしてしまったチーム力そのもののせいなんだと捉えているのは日本もアメリカもいっしょだな。ふう・・。
とにかくフィリーズは強かった。ドジャースの3勝はいずれももしかしたら負けていたかもと思われる試合ばっかりだった。大谷やフリーマンが絶不調でもどうにか勝ってしまうドジャースの底力のおかげだ。次のNLCS(ナショナルリーグチャンピオンシップシリーズ)はカブス、ブリュワーズどちらが来てもフィリーズほどは強くないからきっと勝てるだろう。曲がりなりにも3勝1敗以下でフィリーズには勝つとの予想は当たったからね。ブリュワーズはレギュラーシーズンでドジャースに6勝0敗と完勝しているが、あれは全部7月に対戦してドジャースがピッチャーがそろっておらず、打線もベッツ、大谷が調子が悪い時だった。今は全然別のチームになっているといっていい。
いやはや、メジャーリーグのポストシーズンに夢中で日本のプロ野球は全く見ていない。どちらもファンであるソフトバンクと阪神になったら日本シリーズはいいな。今月いっぱいは野球づくしだぁ。
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