2026年9月30日水曜日

「先生みたいな医者は初めてです」

午前、風邪できつい中、外来をこなしていった。そこに来た75歳男性は便秘やたまにの下痢の訴えで私の診察を希望していた。なにやらこだわりが強そうな印象の患者さんだ。

「下痢と思えば便秘、便秘かと思えば下痢と思うように排便コントロールがうまくいかない」と言われる。「他の先生が処方したグーフィス(比較的新しいタイプの下剤)をきちんと服用しているが、それでは出なくてテレミンソフトという坐薬を使ってようやく出た。グーフィスは効いている感じはしない」とのこと。前医が出した処方薬を見直すと他にマグミット500mg2錠/日が定期処方されていた。この薬は便秘の基本薬だ。

いろいろと話を聞くに、繊維分の多い食事摂取が不足のよう。まずは食生活を見直すこと。穀物や野菜、海藻など繊維分多い食事摂取を心がける。まあ基本中の基本を指導した。効かないと思うグーフィスは無理に服用せすともよい。しかし食生活だけの指導では心もとなく、アミティーザという下剤を2週間だけ試しましょうと話し、さらにテレミンソフト坐薬も頓用処方をした。

こう書くと特に何ごともないような診察風景に見えるが、実際には「ああでもない、こうでもない」と患者さんは語ってくるんだ。そもそも自分の症状を論理的によどみなく伝えられる人ってそんなに多くない。診察は10分以上かかった。それでようやく終わって席を離れたこの高齢男性が意外なことを私に言った。

「先生みたいな人(医者)は初めてです」

「え?」と驚き、「どこがですか」と尋ねた。すると・・

「親しみやすいところがです」だって。へーーえ。結構イライラしながらの診察だったんだけれどね。しかし、そんな風に言われては悪い気はせず、なんか報われた気分だったよ〜。

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