これは全くの小ネタなんだが、「ブレイキング・バッド」を見ていて、あれ?と思ったシーンがあった。それは主人公ウォルター・ホワイトの義弟にあたる麻薬捜査官が重傷を負って自宅休養中ベッドからTVでボウリングの試合を観戦するシーンだった。それを見た瞬間、私は「おお、ジョン・マッザやん!」と声を上げたのだ。特徴的な風貌から一瞬で分かる。
私がPBA(全米プロボウリング)のトーナメントを熱心に見ていたのは1991年からおよそ10年間で、上のジョン・マッザはその1991年に初優勝を果たし、その後もコンスタントに活躍を続け、タイトルも8個獲得したそこそこ有名な左腕ボウラーだった。優勝もだが最難関スプリットの7ー10をTV放送時にやってみせたことも有名だ→https://www.youtube.com/watch?v=XtDDG5MrxAs。それはいいが、気になったのはこのドラマ、2008年に始まっていて時代設定もその頃のはずだ。とすれば劇中の試合放送でジョン・マッザが出てくるのはおかしい。彼は2000年以降はトーナメントでほとんど活躍せずTVでは少なくとも私は見たことがない。それにちょうどTVから試合中継のアナウンスが聴き取れ、「ジョン・マッザ、9フレーム197ピンでパーカー・ボーンとスコアで並びました。家族に視線をやっています。マッザと言えば子どもが生まれたばかりで・・名前はジョセフ・・」などと紹介していた。そして10フレで4番7番の2ピン残していたが、これって本当の放送を流しているんだろうか?ここでボウリングオタクの血が騒いだ。この映像がいつのトーナメントなのか調べてやろう。
WikipediaやYouTubeなどでいろいろ検索すると、確かにマッザはボーンとある大会の決勝を戦っていた。1997年のブレントウッド・クラシックでマッザはボーンを下して7回目の優勝をしている。劇中の映像はその時のものだ。しかしー。9フレ終わって同スコアというのは事実と違う。実際は9フレの時点でマッザがプラス59ピンと勝利を確定していた。YouTubeでその時の映像をスクリーンショットしたのが↓だ。マッザが2本残したのは実際は2フレでドラマではその時の映像を使っていた。しかし中継音声は全く別のことをしゃべっていたのだ。劇中の内容に合わせて家族のことを語らせたかったのかもしれない。このドラマでは「家族」も一つのテーマだからか。ちなみにマッザは1993年のトーナメントで実際に奥さんと子どもが会場にいて応援している様子も中継されていたことがある。↓この子がジョセフなんだろうね。そして数年前にボウリング系YouTuberのサイトでインタビューに答えているのもあった↓。いや〜、当時から頭頂部は薄くなっていたが今ではすっかり・・。もう30年以上前だもんね。1990年代に活躍していたレジェンドボウラーたち、30勝以上タイトル獲得したノーム・デューク、ピート・ウェーバー、ウォルター・レイ・ウィリアムズJr.などはレギュラートーナメントは引退したし、その頃は若手だったクリス・バーンズも今年引退を表明した。彼らの活躍を見てボウリングにハマッていった私もアマチュアなのにほぼ引退状態だ。30年も経てば一つの世代が完全に入れ替わるって本当だなぁ。ドラマの筋とは全く関係ないことながら、そんなことでしみじみと感じ入ってしまった。



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