2025年12月20日土曜日

久々に緊急内視鏡で病院へ出向く

朝、歯科医院へ向かおうとしていると、病院から電話が鳴った。この前から大腸憩室出血で入院している患者がまた下血をしたという。これには思わず「ええー!」と声を上げてしまった。というのも昨日夕方に出血源であろうというS状結腸の憩室を見つけ、クリップで縫縮止血をしたばかりだったからだ。あの憩室は実は出血源ではなかったのか・・。

ちょうど土曜で内視鏡スタッフも1人か2人は出勤しているだろうから、「午前中には病院に行くから緊急内視鏡出来るように準備しておいてくれ」と病棟スタッフに伝え、とりあえずは歯科医院へ向かった。午前9時が予約時間だったので逆算すると11時くらいには姶良まで行って内視鏡検査はできるだろう。

午前10時45分から緊急大腸内視鏡は始まった。ちょうど内視鏡室主任の茶の里さんが外来勤務だったので助かった。これが時間外勤務だったなら今日のこの検査は出来なかった。ずっと以前は時間外でもこんな場合、DrとNsが自宅や病院外から出てきて内視鏡検査をしていたが、働き方改革の影響と昨今のスタッフ不足で時間外は原則緊急内視鏡検査はやらなくなったのだ。

さてこの患者さん、12月17日と19日に大腸内視鏡をしていて、凝血の付着具合からS状結腸憩室からの出血とほぼ確定していた。しかし、この人の大腸には憩室がそれこそ100個くらいあるんだ。いったん出血が止まってしまうとそのうちの1個を同定するのはすごく難しい。↓の内視鏡画像がこの人のものだ。1視野に15個くらい憩室がある。1個1個確認はするが内部が見通せない憩室もあり出血してくれないとなかなか分からないものなのだ。

しかし昨日の検査では1ヶ所凝血が目立つ憩室があって、出血源を疑いそこにクリップをたくさん掛けていた。これで出血は止まるだろうと思っていたが・・。しかし今日の観察ではっきり分かった。昨日のこれだと思った憩室ではなく、実は隣の憩室から出血していたのだ!。クリップの横から出血しているのが分かるだろう。3日前も昨日もこの辺りが怪しいと何度も観察はしていたんだよ〜。
結局、ゴムバンド結紮法(Endoscopic Band Ligation=EBL)で止血した。
いやはや、粘り勝ちだった。患者さんも何度もスコープを突っ込まれ、絶食点滴で空腹を強いられ病室では「きつい」と看護師さんらに言っていたようだが、ようやく原因対策が上手く行ったことで今日の表情は柔らかだった。

実は今日の歯医者はもともと午前11時が予約だった。それが昨日連絡あり、歯科医院の都合で午前9時に変更させられていた。それが返って内視鏡室の都合には良かった。今回は条件がそろって三度目の正直で上手く行ったが、そうでないケースも多く、患者さんが不便を託つ(かこつ)こともある。いつでも誰にでも対応するのが理想ではあるけれど、はっきり言って限られた医療資源の中では運不運がある。誰にでも平等に対応するというのは言うほど簡単ではない。今回の患者さんの安心したような表情を見て、満足ともどかしさをおぼえた私であった。

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