2024年5月9日木曜日

年に1回はS状結腸軸捻転ネタを書く

夕方は17時を過ぎればだいたい今日も仕事は終わりって雰囲気が出てくる。だが、こうして日記に書くということは、そうは問屋が卸さなかったんだ、やはり。

実は16時から外来担当のタクミDrが予定の早退をしていた。となれば内科外来を私かダヒロDrがしなければならない。先にダヒロDrが便通異常の高齢男性を診ていた。私は診察はないなと思っていたら「先生、緊急患者を!」と言われ、救急外来に行くと、病院へ出入りしていた営業の男性が胸痛と呼吸困難を訴えていた。交渉相手をしていた畠鏡総務部長も心配そうに救急ベッドをのぞき込んでいた。

心血管か呼吸器系の異常がないかすぐにチェックをした。心電図は何の異常もなしでまずは一安心だ。年齢も30代半ばの男性で心筋梗塞はやや考えにくい。痩せているので自然気胸も疑った。採血と点滴さらに胸部CTを指示した。で、分かったのがこの人、実は肺炎を起こしていた。浸潤影がくっきり写り胸膜にも接していてそれが胸痛をそして軽い呼吸困難を起こしていた。この患者さんの指示を出し終わる頃、レントゲン室から連絡があった。「ダヒロDrが来て欲しいだそうです」ああ、思っていたとおりの展開だ。

たぶん助っ人依頼が来ると思ってたんだよねー。チラチラと先ほどの便通異常の患者さんはS状結腸軸捻転と漏れ聞いていたんだ。ならば緊急内視鏡で捻転を解除せねばならない。この処置、私は割に得意なんだが、同時に一番やりたくない処置でもあった。だって、う〇こ内視鏡必至なんだもん。行ってみると検査台の上は案の定カレーライス状態だった(うへっ)。ダヒロDrはすぐにでも変わって欲しいと言ってきたが、「しばらく頑張って」と私は一旦レントゲン室を出た。ここは彼にもこの手技に慣れてもらわねばというのとまずは着替えとトイレにも行きたかったしー。

で、術者交代してやってみると下行結腸へ挿入は出来るも送気も多くあったせいで腸管が伸び捻転解除は難しかった。そこでエアを抜きつつ一旦スコープを抜去し、ロングタイプの大腸内視鏡に切り替えさせた。何度もこの手技をやっているので次の手が浮かぶのだ。で、結局これが功を奏し、先端が下行結腸を越え横行結腸にフックする形に出来て、捻転解除はうまくいった。やれやれである。

高齢で腸が伸びてたるんでくるとS状結腸の根本で捻れが生じることがある。大腸内視鏡がその解除にはすこぶる有効で、レントゲン写真を見ると簡単に見えるが、内視鏡画像はちょっとこのブログでは見せられない。想像にお任せるするのみ・・。また帰りが遅くなった!

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