昨日の夕方から病院当直だった。忙しかったかというとさにあらず。このところ非常に暖かくなってきたせいか患者はほとんど来なかった。日中も3人しか外来患者は来ず、夜は一人も来なかった。しかし今日の明け方、右片麻痺の高齢患者が救急で搬送されてきた。おそらくは脳梗塞だろう。CTでは早期の脳梗塞は見つからない。ただし脳出血は早期でもCTで一発で分かる。手順上CTを撮り、異常なしを確かめて、MRIを指示した。すると左の脳に1cmほどの専門外の私でさえそれと分かる脳梗塞の所見が見つかった。入院指示を出して、後は今日の脳外科オンコールのカワゼンDrにバトンタッチした。 その画像をここで披露するわけにはいかないので、ネットで拾ってきたほぼそのままの画像が↓だ。
東京は板橋区にある某脳神経外科のクリニックからの画像で、解説では「夜間に右手足の動きにくさを主訴に救急受診しCT検査を行った患者です。CT検査で異常所見なしと診断され帰宅となりましたが、症状が改善せず翌日私の外来に受診されました。神経学的身体所見で左脳の異常が示唆されMRI検査を施行したところ脳梗塞(黄色矢印の箇所)を認めました。MRI検査では正常な脳組織は灰色、脳梗塞部位は白色で描出されるため脳梗塞の検出が容易なことがわかると思います。一方CTでは脳梗塞の際、色調のコントラストがありませんので非常に検出が困難であることがわかると思います。つまり、脳梗塞が原因となる手足の麻痺、痺れ、めまいはMRI検査が良いです」そのとおりである。私が診た患者の症状も「夜間トイレに行こうとしたら右側の手足の動きが悪く行けなかった」というものだった。一応は動くが実用的な動きが出来ず、これはおかしいと家人が電話で娘に連絡し、娘から救急要請があった。だから症状をよく聞けばCTがいいのかMRIがいいのかある程度判断できる。CTしかない施設であれば「念のためMRIでが撮影出来る施設で精査を」をアドバイスするのがよかったろうと思う。私も25年間、青雲会病院の当直、日直をして脳血管の病変をたくさん見てきたので上の脳神経外科の先生くらいのアドバイスは出来る。ただ、入院して加療となるとやや手に余るんだ、これが。過去一度だけ、旧青雲病院時代にそのまま脳梗塞の患者の主治医になったことがあったが、大変きつかった。最初の治療方針は教えてもらい点滴や処方は出せたが、その後の症状変化に対して本人や家族に説明をすることが出来ない。目に見える症状がどのくらいの程度でそれに対してどう治療を変えていくべきかなどとんと分からなかった。専門家からみたら簡単なことでも細かなことはテキストにも載っていないし病状説明など意外と難しいのだ。
それ以来、初期対応は別にして、担当医としては脳血管障害の患者は持たない。まあ言えば、大腸憩室出血の患者を脳外科の先生に「数日絶食点滴してあとは食事させて再下血なければOKですから〜」と言って担当させるようなものだ。患者の逐一の訴えをその程度は様子見でよいとか、いやそれはきちんと検査しなくてはいけないとか細かなノウハウはたくさん患者を診てきた専門医でないとスムーズに運べないものなのだ。
専門家同士が連携しあって患者を診る。これが大きな病院で働く際のいいところだな。
0 件のコメント:
コメントを投稿