2024年4月5日金曜日

持つべきは聞く耳

 4月になって非常勤Drも新しい人が入ってきた。大学病院外科からはローテーションでケイブンDrが、内視鏡はオルドリDrが金曜日勤務となった。どちらも30歳代半ばから後半くらいか。本来ならこのくらいのバリバリのDrが常勤でと言いたいがぜいたくは言うまい。

聞けばケイブンDrは一旦他学部を出ての学士入学とのことだ。そして出身校が私と同じ鹿児島中央高で39期生だという。私は13期生だから・・26歳差。うーん、若いというか私が年取ったというべきか。午前、私が本来なら診るべき救急の患者を彼が診てくれた。外来患者に追われていたため、さっそく助かったわー。

その外来患者は誰も私が院長になったことには気づいてはいない。それでいいのだが、ずっと私が担当している高齢女性と10年以上前の救急患者だった男性にだけはこそっと「4月から院長になりました」と教えた。二人ともすごく喜んでくれたねぇ。自分からは決して言わないようにしているが、この前カールがギボヒサコの見舞いの際に「あ、そうそう。こてるさんが今度院長になるの」と言ったら、それまで普通だったヒサコがえらく感激してうるうると涙を流していたと聞いて、黙っているのもどうかと思ってね。

昼前に来た近医紹介患者は私より若い男性で腹痛、背部痛とのことだった。採血と腹部CTの指示を出しておいた。CT結果が出てその画像をチェックするがはっきりした痛みの原因をつかみかねていた。放射線科のソラナリ科長とピッチで話し画像チェックし合っているうちに、ソラナリ君が「あ!」と声を上げた。腹部CT画像の上部、わずかに映っていた胸部からの「下行大動脈の壁がおかしい」と。私も言われて「胸部大動脈の解離かぁ!」と声を上げた。それならばその患者の症状と採血結果とが説明できる。急いで胸部CTの追加をして診断は確定した。ならば、鹿児島市内の心臓血管外科のある病院に救急搬送だ。天妖怪病院が即受け入れOKで情報提供書を書き、本人に説明し転送となった。所見から見ておそらく手術をするほどにはならないだろうが、それでも専門の病院に任さねばならない。

この前の医局レクチャーで信号Drが「肺塞栓」の症例を3例例示していた。そのうちの1例はカユカDrが外来看護師に「先生、この患者さんはいつもと違う。絶対に帰さない方がいい」との意見を聞いて診断に結びついたと聞いた。そうそう、医者が唯我独尊で行動していると落とし穴が待っている。スタッフの意見は尊重すべき、なのだ。ありがとう、ソラナリ君。

0 件のコメント:

コメントを投稿