2025年9月24日水曜日

最後は大腸憩室出血の止血でビシッと

メジャーリーグのレギュラーシーズンも大詰めで、ドジャースの今日の対戦相手は同地区対決のアリゾナ・ダイアモンドバックスだ。しかも大谷が先発で投げるとあらば経過をちょくちょくチェックしたいではないか。しかし今日の水曜は「忙しい」方の水曜だった。なにやかにやとやっていると13時半を過ぎそうで、ずっしり師長から「院長先生、午後の会議は欠席だと連絡しましょうか」と打診があり、カルテ見たまま「ああ、そうしてー」と返事した。まだ昼食も摂らないといけなかったし、それにドジャースの試合結果も気になった。

大谷が抜群の投球で相手に1点も与えず、しかも味方が4点を取ってくれていたので「今日は大丈夫やろ」と余裕だったのだが・・。大谷が6回で降板した後、なんじゃそら、このところベタ弱いリリーフ陣が打たれ始め、それでも9回裏までどうにか1点リードしていたのにスットコがいやスコットが緊張しまくりの表情であらま・・またやられそう。しかし、はあ・・。毎度おなじみの逆転負けにやりきれんわっ。

急いで食事済ませた後、いったん院長室で気を取り直して、まだ会議をやっているかもと小会議室に向かった。予想通り、まだ医療リスク対策委員会はやっていて、席に着くと、委員長が「以上で終わりですが、院長先生、一言ありますか」と来た。「ドジャースが不甲斐なくて気分悪いわ」と言いたいところ、「いや、遅くなりまして・・特にないですね」と穏やかに答えた。「そうですか、ではこれで終わりにします」と、わずか1分程度の出席で終わった。帰り際、難ガター検査室科長に「(それでも)間違いなく私は出席済みだよな」とつぶやき、ニヤリとしたのだった。

そこから1時間くらいは仮眠を取った。しかし15時からまた外来と内視鏡からお呼ばれだ。今日は大腸憩室疾患が2人いてどちらも入院になった。1人は大腸憩室炎で腹痛が特に目立ち、もう1人は1日半前から新鮮下血ありとのことで大腸憩室出血がかなり疑われた。大腸内視鏡を開始すると案外に血液の腸管付着が少ない。まあ経口下剤で前処置をしているからあらかた便と血は排泄されているからだろう。出血源憩室を求めてじっくり探していると、上行結腸に「これは」という憩室があった。

血糊のようなものが憩室内から顔を覗かせている。「これ、犯人くさい」とスコープの先端でちょいと刺激することにした。直後、わっ!出たよ、やっぱり。
これは100%間違いなく出血源憩室だ。ここで大事なのはまずはクリップをこの憩室そのものかその近くに掛けておくことだ。こんなにはっきりしているのに見失うおそれがあるからだ。大腸の管の中って有り体に言えばどこを切り取っても似たような背景、模様なので出血が止まってしまうと、あれ、さっきの憩室はどこ?となりやすい。しかも憩室ってだいたい近くに多発していることが多くて紛らわしいしー。

今回は吸引絞扼ではなくてクリップ縫縮で止血を行った↓。まあこれでほぼ一件落着よ。

忙しくて疲れもたまっていても、1日の最後がこれでビシッと決まった。ドジャースが負けようが仕事が忙しかろうが、これがあればやって行けます、ハイ!。

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