夏の甲子園もベスト8が出そろったか。天理、三重、智弁和歌山、仙台育英、横浜、花巻東、有明、健大高崎。まあおおよそ順当な結果かな。この中では熊本の有明だけが異質だ。なんてったって初出場だから多くのマスコミや高校野球ファンもいきなりベスト8進出という予想はしにくかったチームだ。それは私もそう。でもベスト8に1校くらいは予想外のチームが出てくるってのは何年かに1回はあるからその意味では順当ってことだ。
例えば2年前の島根代表の公立校大社がそうだった。1回戦で報徳学園を3対1で破ったのも驚いたが、2回戦で長崎の創成館を延長で勝ち、3回戦の対早実戦は近年まれにみる名試合を演じた。9回裏の1死二・三塁のサヨナラのピンチで早実が「内野5人シフト」を敷き、このピンチを凌いで延長戦へ突入する展開にはしびれた。互いに延長タイブレークで相手好守備のため送りバントを決められずにいたところ、今大会初出場の大社の安松選手が見事に三塁線上に決めてチャンスを広げ、それが大社のサヨナラ勝ちにつながったところなど、今後NHKの「白球の記憶」に載せてもいいくらいの内容だった(と書いたら、チッチからすでに「大社旋風」のタイトルで放送済みとメールあった)。
他に公立校の活躍で、記憶に残るところでは2018年の金足農だ。秋田の田舎の公立校ながらエース吉田輝星を擁して勝ち進み劇的な試合で勝ち進みついには決勝までたどり着くも相手は大阪桐蔭で、吉田もさすがに投げ疲れていて13対2で準優勝に終わったが、数年後には「白球の記憶」に登場していた。その前の2017年大会では香川の三本松がベスト8進出をしていたし、2015年は秋田商、2012年は倉敷商がベスト8に進出しているが、私がよく覚えているのは2006年初出場の鹿児島工だ。直に甲子園に応援にいったこともあってベスト4にまで行ったのには歓喜というか驚きでさえあった。
ただこんな公立校の予想外の躍進というのはベスト8ベスト4そして時に決勝まで行くが最後は伝統校や私立強豪校に負けて優勝まではできないってのが相場なんだが、唯一の例外が2007年の佐賀北だ。いったい誰が開催前に佐賀北の優勝を予想しただろう。決勝も相手は広島の広陵でエースは後に広島に入る野村祐輔で、延長などで帝京を破るなどした佐賀北もここまでと思われた。後に最初からビデオで見直したが、実際試合後半まで野村の球を佐賀北の選手はまったく打てなかった。それが8回裏にヒットと四球などで1点取った後、満塁からホームランが出て5対4と試合をひっくり返してそのまま優勝した。私は前半の野村の投球を見直して驚いた。完全に佐賀北をなめきって投げていたんだ。捕手から返ってくる球をほとんど休まずちぎっては投げちぎっては投げしていた。どうだ、俺の球をお前らが打てるわけないだろって感じ。実際打てなかった。しかし終盤に来るとそうはいかなくなったんだ。あれは完全にペース配分のミスと相手へのリスペクトのなさが結果的に敗北につながったと私はみている。私は甲子園オタクゆえ、昭和初期から続く準優勝ぐせのある広陵に今度こそ夏の優勝をしてほしいと願っていたから非常に残念だった。広陵は2017年も花咲徳栄に負けて準優勝と夏は4回も準優勝で優勝は一度もない。春は3回優勝、3回準優勝と準優勝が春夏合わせて7回もあるのは確か最多だ。
まあ、部員集めに難しさのある公立校や初出場校が活躍すると甲子園大会も盛り上がる。今回の有明は直前に熊本地震があったからなおさら活躍ぶりが印象に残る。そしてこうした過去の大会の記録と記憶を比較出来るのも野球が9回までという基本フォーマットが変わらないからで、これが7回戦制になったら別物の大会になる。8月3日に「7回戦制大反対」と一説ぶったが、私はこの大会が甲子園でやらなくなっても夏開催が秋になってもまだ許せるが、7回戦制だけは絶対に許せない変更だと思っている。大阪桐蔭の西谷浩一監督も断固反対の立場だ。西谷監督は加盟校の約7割が反対しているにもかかわらず、2028年には導入などと議論が進められている現状に対し、不信感や疑問を呈しているのも素晴らしい。確かに高野連の誰が押し進めているのか、そしてそれはなぜなのかが今一つはっきりしないんだ。高野連もこれまで様々な改革や変更をしてきて、それは概ね許せるし満足いくものが多かった。しかし7回戦制という大幅なルール改正を現場の選手や監督、そして多くの高校野球ファンらが反対している現状なのに、自らのおそらくは勝手な思い込みで変更改正するのだけは許せないし阻止しなければならない。結局最後はこの話題になってしまったか、ふう。
0 件のコメント:
コメントを投稿