朝の院長報告で昨日の当直帯に着た救急車がなんと9台にもなったそうだった。平日の夜に来た数では記録的だ。断ったのも1台あったそうだから、どんだけ〜だ。最近はこんなに救急車が多かったかなと思って調べると、この1週間は0台という夜も意外に多くてなんだか埋め合わせをするかのように昨夜は集中しただけみたい。いやはや。
午前外来に付いた看護師は6月に入職したイマタニさんだった。彼女、日記ネタにもなったな→http://koteru-nikki-2015.blogspot.com/2024/06/blog-post_20.html。それはともかく、昼前には一人5階病棟に入院させないと行けない患者がいた。バタバタしている中で入院させる部屋がどこか忘れた私はイマタニさんに「ええと、部屋は何号だったっけ?」と尋ねた。彼女は「特Bです(特別室B)」と即答した。それを聞いて「トクビー・・・レット・イット・ビー」と私は口走った。これってもう30年くらい前の志村けんと石野陽子のコント「そこまで言う?言うよ・・早見優、北天佑、醤油、ラー油、アイラブユー」といっしょの単なる地口(じぐち)言葉だった。
しかし彼女のリアクションは予想以上だった。こんな場合他の看護師なら無視するか、「はぁ何言っているですか」か「ふ・・」と苦笑いするくらいだ。ところが彼女、プッと吹き出した後、「ビートルズ、好きなんですか。私もビートルズ大好きなんです」だったのだ。へーぇとこっちも驚いて、「ビートルズは中学の頃から大好きで今でもしょっちゅう聴いているよ」と言うと「私、たまたまレット・イット・ビーを聴いていい曲だなあと思ったのがきっかけだったんです」と。ほうほう。「すると、父が実はビートルズファンで家にはアナログレコードやCDも全部あったんです」ということだった。彼女は30代半ばだから「父はもう70代です」ということだ。私は「中学時代にお昼のイージーリスニングでビートルズの『抱きしめたい(I want to hold your hand)』が流れていたんだよ。単なるストリングスの演奏だったけど、サビの部分でいい曲だなぁと思ってからハマったんだ」と互いのファンになったきっかけを教え合った。
さらに彼女の「今でも家を出る時に『デイトリッパー』を聴いたり、運転する時に『ドライブマイカー』を聴いたりします」というのを聞いて、間違いなくビートルズが大好きなんだと確信し、少し驚きもした。私がビートルズファンになってぴったし50年、女性とビートルズの曲を話題にしてデイトリッパーとドライブマイカーという1965年発表のアルバム「ラバー・ソウル」の頃のこの2曲を語った人は初めてだったからだ。普通はへイ・ジュードやイエスタデイ、シーラブズユー、ヘルプ、最近ではインマイライフあたりがよく話題になるくらいで、私より30歳も若い女性が少々マニアックなビートルズの曲を話題にするとは。
私が「子どもたちにも小学生の頃からビートルズを聴かせているのでみんな今でもビートルズは聴いているよ」というと、イマタニさん「私もです。子どもらは初期の曲が好きみたい」と即返答してくれた。二人いてまだ5、6歳らしいが頼もしいねぇ。私が「そうそう、何年か前にあった映画『イエスタデイ』を知ってる?」と尋ねると彼女は知らなかった。「その映画、実は子どもに教えられてネット配信で観たんだ、ビートルズファンなら絶対に面白い映画でさー、歌手のエド・シーラン本人が出てきてビートルズの曲と曲対決もするんよ(→https://koteru-nikki-2015.blogspot.com/2020/09/10line.html)」などとその概要を教えた。彼女はNetflixとAmazon Primeに入っているということで、私が調べて「Amazon Primeにはその映画あるよ」と教えて上げた。そんなこんなで入院指示がしばし滞ってしまった。でも身近にビートルズファンがいて嬉しかったんだよ。
たまたま口走った「特Bはレット・イット・ビー」って地口言葉から世界が広がった。いやぁ「ひょんなことから」って言葉があるけど「特Bはレット・イット・ビー」はまさしく「ひょん」だったわ〜。
0 件のコメント:
コメントを投稿