2026年10月9日金曜日

「13日の金曜日」は「ムシしてよいです」

また外来のネタ。

80歳の高齢女性が先月末に大腸内視検査を受けポリープ切除も実施されていた。今日はそのポリープの病理結果を聴きに来ていた。結果は良性で特に心配なし。それですぐに終わるかと思いきや、「それでもお腹がぐじぐじと動いて痛いことがあるんです」と訴える。ふうむ、大腸が特に問題ないことは検査してすでに分かっている。それでも腸が動いて痛みがあるのはまあ仕方ないことなのだ。蠕動(ぜんどう)運動と言って腸などの消化管が食べ物やガスを先に送り出そうとする運動が過剰になったり、通りが悪くなって強く収縮したりするときに起こることが多い。すると、患者本人が腹部の動きは「虫のせいでは?」と言ってきた。ほい、それはほぼ否定出来る。「虫というと寄生虫ですねー。50年以上も昔は回虫やギョウ虫など虫も見ましたが最近はほとんどいませんよ。何か有機野菜などをよく摂っているんですか」と逆に質問した。化学肥料を嫌って有機肥料を使った野菜などはたまに寄生虫が付くことがある。しかしそれもないという。そこで「過敏性腸などの体質的な理由でそういった腹痛は起きやすいです。虫のせいではないのであまり心配し過ぎないように」と説明しお引き取りねがった。

そして最後に一言。「無視してよいです」と。
側に付いていた医師事務作業補助者のコンフォートさんは私の言わんとするところを分かってくれたみたいだが、患者さんは全く気づいていないようだった。いえいえ、それでいいんです。

次はこれも80歳代の高齢女性患者。いつも可愛い孫のお嬢さんが付き添ってくる。「次、来る時は採血もしますから朝ご飯は抜いて来ましょう。来院日は11月の13日の金曜日です」と言ってから、私は「『13日の金曜日』か・・」とつぶやき、お孫さんに「映画の『13日の金曜日』って知ってます?」と尋ねてみた。すると「聞いたことはありますが・・」という反応だった。そして「怖いんですよね」と聞かれ「そりゃ怖いですよ〜。私は40年近く前に初めてビデオデッキを買ってレンタルビデオ屋で『13金』を借りて一人で見たんですよ。もうびっくりしてそっからシリーズ2から5くらいまで全部借りて一人を見まくったもんです」と「13金」ネタで一人で盛り上がった。そしてお嬢さんに「ホラー映画とか見ます?」と尋ねると、好きな映画は「トトロとか」とのことでこりゃダメだ。「日本のホラーと違ってこの手の作品はスプラッター映画とも言われ、ナイフやナタで血しぶきが飛びかうんです」と言うと、もうダメってな表情でお嬢さんは尻込みしてたな。どーも済みません。
いやいや、自分の好みをあまり押しつけるのは良くない。そもそも来院日を間違わないように「13日の金曜日」を強調しただけ。ホラー映画とは何の関係もないんだからねー。いやいや、ジェイソンの存在も今や遠くなりにけり、だ。

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