2025年11月2日日曜日

ワールドシリーズ第7戦

下の写真はまだ朝6時半の我が家の居間の写真だ。


ハナビとゲンちゃんが対峙した後、2匹とも私を見ている。少し遠くのテーブルにはカールが座って朝刊を読んでいた。なぜかみんな朝早くから起きている。私は何度も寝たり起きたりを繰り返していて、今日午前9時10分から始まるワールドシリーズ最終戦を観戦するために気持ちを整えていた。そして、私にしては珍しく験を担ぎ、昨夜風呂上がりにはドジャーブルーの色のパンツを履いていた。先週、見せたまえDrとの麻雀で「オレはドジャーブルーのハッピを着て今日は打つんだ。お前はそうはしないのか」なんて言われていたしね( ・_・;)。9時前になると何にも知らないネコ2匹は畳部屋の毛布や寝床でお休憩を始めていたよ(笑)。

さて、泣いても笑っても勝った方が世界一となる決戦は、ドジャースが予想通り大谷翔平を先発に立ててきた。昨夜カールに聞かれて私は「明日は大谷が先発するかも知れないし、投手は山本以外はみんな登板する可能性がある」と答えていた。対するブルージェイズは超ベテランにしてサイヤング賞3回のシャーザーだ。ブルージェイズ監督曰く「昨日、彼とすれ違ったら今から誰かを殺しに行きそうな顔つきだった」というから気合いが凄まじかったようだ。チャンピオンシップシリーズでは監督に降板をものすごい形相で拒否しそのまま抑えきったこともあったしな。

気になる大谷の投球、調子は今一つだった。変化球は切れが悪かったり引っ掛けたりしていた。ボール先行し、スリーボールになればどうしても次の球はストレートが狙われやすくなる。案の定ヒットも打たれピンチを招いた。ただ、さすがは大谷で1、2回は0点に抑えた。でもなー、3回ゲレーロJrを申告敬遠にして1、3塁の場面、まるで狙われたいたかのようにスライダーをビシェットにホームランされ3点献上した。その瞬間私は「あーー!負けた。この試合負けるわ〜」と叫んだ。ロジャース・センターは観客らが飛び跳ねての大歓声に包まれている。序盤に3点もリードされ、大谷は手を膝につきがっくりだ。思えば異様に汗をかいていて本調子でない感じだった。

この後、私は何度もドジャースの負けを覚悟させられた。チャンスはそこそこ作るけれどタイムリーヒットが出ない。4回表に入った1点も犠牲フライのもので、打線がいいときのドジャースなら2、3点は楽に入っている場面だ。だが、後から考えればウロブレスキー、グラスノー、シーハンとドジャースリリーフ陣がブルージェイズのチャンスに決定打を与えずに少しずつ得点し勝負形にしていたんだ。得点2ー3になったときは確かにまだいけると思った。しかしその直後1点取られ2ー4だ。そして8回表になった。この時ブルージェイズは7回に崩れそうだったが持ちこたえたルーキーのイェサベージを続投させたよね。これは判断ミスと思った。今日のイェサベージは球が高くて前回先発の時のような低めの変化球で三振を取れる球質ではなかった。7回はたまたまダブルプレーで抑えられただけ。だから前打席でヒットが出ていたマンシーがホームランを打った時も十分ありうる場面と思っていたのでそれほど驚かなかった。そしてそこでアウトにならなかったゆえに9回表までには大谷への打席が回ってくる計算もたち、残り1点差はどうにかなるかもと淡い期待を抱けた。

しかし9回表の先頭打者8番キケ・ヘルナンデスが打てないくせにくそボールを振って三振1アウトになったときは「あかん」とつぶやいた。大谷の前に少なくとも1塁に出なくてはならないんだよ。でないと大谷と勝負してもらえない可能性が高い。打つふりをして四球を選ぶようにするなりしなくては。こうなったらせめて1アウト1塁にしなくては・・次は9番ロハスか。打てないけど彼はうまく四球を選んでくれるだろうか。1球目、キケ同様に外角下のくそボールを振りやがった。アカン。しかし次とその次の低めのくそボールは振らなかった。ふむふむねばっているねー。そして4球目の外角153km/hの速球はストライクコースだったので振ったがファール。カウント2ー2。場内は「レッツゴー!ブルージェイズ!」の大合唱だ。次もやや外角の速球154km/hはまたファール。そして次は内角高めのスライダー。これがボールになった。カウント3ー2だ。次はどんな球を投げる?相手ピッチャーに余裕があるならまた外角低めのスライダー系のボールになる球で三振を狙うだろう。しかし見逃されると四球となり次の大谷と勝負しなくてはならない。ここでNHKBSでの解説の田口壮は「ロハス、かなり集中してますね」といい感じであることを指摘していた。私も四球かしぶいヒットくらい打ってくれるかもと少し期待はした。この場面でテオスカー・ヘルナンデスならまず三振だ。何十回とそのシーンを見せられてきた。でもここはしぶといロハスだ。さあ、どうなる?!

「レフトへ!大きいーー!入りましたぁ〜〜!」

ここに来てストライクを狙った甘いスライダーがほぼ真ん中に入った。今シーズン右投手から1本もホームランを打ったことないロハスが、なんとホームランよ。さすがにこれは全く予想しなかった。静まりかえるロジャース・センター。バットを持ち大きく両手を広げて喜ぶ大谷。顔が真っ赤になって呆然のブルージェイズ監督。
この時のドジャースのブルペンの様子が実に興味深い。みんな予想外のパヘスのホームランに佐々木始め喜ぶリリーフ陣の中で山本由伸だけが緊張した面持ちだったのだ。後になって思えば同点以上で自分が登板する可能性を感じていたんだろう。この頃には山本が投げる可能性が解説陣にも分かるようになって来ていた。山本が投げられるのなら彼以外にこの大勝負を任せられる投手は今のドジャースにはいない。

この後も9回裏のピンチに山本がリリーフしての1アウト満塁のセカンド内野ゴロをロハスがホームフォースアウトにしたこと(捕手スミスの足がベースから離れていたのでは?とのチャレンジは画像確認するとちゃんとベースに着いていた)、
その前にセンターをエドマンからパヘスへ交代させた後の2アウト、抜ければサヨナラのレフト大フライをそのパヘスが取りきったこと(レフトのキケ・ヘルナンデスはボールを取れず負けたと思ってしばらく立ち上がれなかった)、
スミスが勝ち越しホームラン後の11回裏1アウト3塁で敢えて四球にした後のダブルプレーゲームセットなどヒリヒリ、ハラハラ、ドクドクの緊張場面はいくつもあった。よくぞドジャースは勝ちきったなとほとほと感心した。逆にブルージェイズには幾度も勝負を決めるチャンスがあったのに決めきれなかった。7戦全体をみても攻撃、投手力いずれもブルージェイズの方がドジャースを上回っていたのだ↓。特に打率の差は決定的だったはず。
ドジャースの勝ち試合はいずれもぎりぎりの内容だった。山本が完投した第2試合も5ー1で勝ったけれど途中までは接戦だった。こうした守備力、投手力のしぶとさがどうにか4勝出来た要因だったろう。大舞台での経験の差もあったかも。

ワールドシリーズ連覇は滅多に出来ない偉業だ。20世紀末のヤンキース3連覇以来というからここで満足せずに来年も勝って3連覇はして欲しい。ただ、ドジャース番記者のディラン・ヘルナンデスさんがいみじくも指摘していたように「今回の優勝で一番ホッとしているのは編成部長のアンドリュー・フリードマンかも」というのは忘れてはならないだろう。そもそも山本があんな無理なことをしてまでワールドシリーズを闘わなければならなかったのはディランさんのいう「立派な宮殿を作ったとみえてトイレを作り忘れた」ということで、先発は立派でもリリーフの補強を完全に失敗していたフリードマン編成部長の責任だ。ドジャースにはかつてのヤンキースみたくダイナスティ(王朝)を築いて欲しい。そのためにも来年は山本に今年のような活躍をさせてはならない。

7ヶ月以上にわたる今年のメジャーリーグ観戦は終わった。で、さっそく今日のうちにSPOTVNOWのサブスク月2千円は解約した。心配しなくていいっすから、また来年4月初めくらいに契約しますよ、SPOTVNOWさん!

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