(8/31の記述:W杯予選対オーストラリアは床で枕しながらじっくりと観戦していた。拮抗する前半の終わり頃、長友のセンタリングに浅野がきれいに得点して、それがあまりにノーマークすぎてオフサイドじゃないかとすぐには喜べなかった。いい時間帯で得点でき、これはいけると後半もTVを前に床にごろりとしていたが・・何と気がついたら試合は終わっていた。日本が勝った!というアナウンサーの声で目が覚めたのかな。え、何対何で?とカールに聞くと2ー0だと。そうか、そりゃ良かった・・とまた寝てしまったのだった)
泌尿器科の合い言葉Drから大腸内視鏡検査依頼の患者がいた。彼が当直で明け方下血で来たばかりの高齢女性だった。症状からして虚血性大腸炎だろう。で、内視鏡で見てみると案の定で、下行結腸が見事にただれていて虚血性大腸炎、ちょっとひどくて入院が必要か。この虚血性大腸炎は結構多いにも関わらず病名や病気の存在自体は世間には浸透していない。消化器専門のDrでは知らない人はいない疾患なのに何でだろう。私なりに推測するにほとんどのケースで自然治癒し命に関わらないからだと思う。症状のきつさや内視鏡所見のひどさからするとびっくりするくらいきれいに早く治る「たちのいい病気」だからだ。心配そうにしている家族や患者本人に「心配ない、大丈夫」と保証した。何百人も診てきているからそう言える。ここは経験がものを言う場面だ。
この、多いのに知られていない病気があるかと思えば、ほとんどいないのに知られすぎている病気もある。代表的なのがメニエール病だろう。めまいで来院すれば「メニエールですか」とさも知っているかのようにみんな言う。しかし私は医師になって30年以上、これはメニエールだと診断できた患者は一人もいない。メニエールの診断基準があり、例えば耳鳴りや難聴がありますかと聞いても「自分はメニニールで」という患者のほとんどが「いえ耳鳴りはないです」などと答える。じゃー、メニエールじゃないネ。そんなメニエールもどきはたくさんいる。でも頭位めまいだったり前庭神経炎だったり単なる一過性の低血圧だったりが多い。きっと語感がいかにも「眼に来るよー」とイメージしやすいからだろう。
あと虚血性大腸炎同様、医師にはよく知られているが一般には知られていない病気にマロリーワイス症候群がある。激しい嘔吐の際に胃食道境界付近の粘膜が避けて出血を来す病気だ。これなんかメニエールよりずっと多い病気だから「私はマロリーワイスでー」と来院する患者がいてもよさそうだがそんな人は今まで一人もいない。ま、げーげー吐血してくるからそんな余裕はないか。マロリーとワイスさんじゃなくてゲローとトケッチさんが発表してくれたらゲロッチ症候群になってみんな使ってくれただろうにネ(⌒о⌒)。
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