朝早く、私たちは鹿児島空港へ行く準備をしていた。カールとチッチが沖縄に行くためで、私は二人の送迎役だ。カールは顔面パックをしていて、まるで映画「悪魔のいきにえ(1974年)」に出てくるレザーフェイスみたいだった。こわっ。
無事レザーフェイスが剥がされた後はまともな人間の姿に戻り、出発直前はゲンちゃんとパチリ。ハナビもいるんだけどまだこんなに安全に抱っこは出来ない。
空港に着いて二人を降ろし、その様子を写真に収めた。「いってらっしゃいー、気を付けてねー」といつもの感じでそのまま私は空港前道路を出てすぐ近くの高速道路インターに向かった。
インター入り口まであと10mくらいという時にスマホが振動し始めた。電話だ。高速には進入せずに道路脇に車を止めた。きっとカールかチッチからの電話に違いなくなにか忘れ物でもあったのだろうか。出ると、チッチからで「高速に入っていない?」「ああ、直前だった。どうした?」「バッグを車の中に忘れているって」だと。「すぐに引き返すから待ってな」と急遽Uターンとなった。運転席からはバッグがあるかどうかは確認出来ないものの出発時間もあるから急いだ。
二人は先ほどと同じ場所で待っていた。出発時刻まであと25分ほどしかない。カールの小さなバッグはやはり私の背後の席下にあったようで「よかったー」と手に取った様子をまた私は写真にパチリ。後で時間を確かめると9分が経過していた。すぐ近くなのに思っていたより時間がかかっていた。
もし私が高速道路に進入していたら加治木インターまで行きまた帰って来なくてはならない。さらに20分は必要になったはずで、バッグはあきらめなくてはならなかった。電話するのが3秒遅れていたら・・アウトだったねぇ。いやはや。
げに、携帯電話の普及した現代ならではのハプニングで、平成前半までなら「あーあ、バッグを忘れちゃったぁ」で終わっていたはず。その様子を写真に収められるのもデジタル機器が普及した今ならではで、昭和のころならそんな様子を貴重なフィルムを使って写真に撮ろうとも思わなかった。写真屋にフィルムを渡し現像、プリントされるまで待たねばならなかったしー。思えば、2日後にこうしてネットにアップロードしているこの事態もインターネットの普及した平成半ば以降のことでわずか20年ほどしか経っていない。昭和時代とは隔世の感あり。最近TVで昭和と令和を比較するバラエティー番組が多いのも肯けるねぇ。
「悪魔のいけにえ」も平成の始め頃、レンタルビデオ屋で借りたものを見た。ホラー映画の中でスプラッターというジャンルのはしりで後の「13日の金曜日」シリーズなどに大きな影響を与えている。最近はそんな映画はほとんど見ない。今日は些細なことで時代の違いを大きく感じる日であった。