世間ではゴールデンウィークに入っている5月最初の土曜日、私は午前勤務だった。でも昨日入院した患者さんのことを考えると都合良くもあった。その患者さんは糖尿病性ケトアシドーシスを起こしていて、今日の採血検尿のデータを元に点滴やインスリンなどきめ細かい指示変更が必要だったからだ。それに昨日今日と休みのDrもいてその受け持ち患者のちょっとした指示出しの依頼もあって病院としては内科医が一人出勤すると助かるのである。
で、外来に降りる前に院長室電カルの前であちこち指示入力をしていると、救急外来ピッチから連絡があった。あちゃ、今日は救急外来担当だったんだ。「先生、胸痛で来られていて冷や汗もかいている70代の女性なんですが・・」と来た。朝5時過ぎくらいから急にその痛みが生じているという。これはまず心疾患を考えておかねば。で、心電図と採血をするよう指示出した。しばらくして外来に降りてその患者の心電図を見ると特に大した所見はない。一応急性心筋梗塞を第一に考えていたんだけどこれは違う。そこで、採血結果が出る前に「胸部CTも」と追加指示を出した。
その間、他の外来患者を診察しておく。で、そろそろ胸部CT撮影が終わる頃、レントゲンチェックをしてみたら・・うわっ、やっぱりかい。胸部大動脈の解離だった。これはもう青雲会病院での初期対応はともかく、入力治療を循環器専門や心臓血管外科があるところでないといけない。患者やその家族に病状説明をし、受け入れてくれるところを当たるのでしばらく待機してもらう。そして点滴をつなぎ血圧を下げておかねばならない。この患者さんは日頃そんなに血圧は高くなく降圧薬も飲んではいなかった。しかし来院時は170を越えていた。そのまま放置すると大動脈の解離が進展する怖れがある。
大動脈は心臓から全身へ血液を流す動脈の本管で、胸部から腹部にかけて位置しており、直径は胸部で2~3cm、腹部で1.5~2cmある。大動脈の壁はその内側から内膜、中膜、外膜の三層あり、大動脈解離は中膜に亀裂が入り裂ける病気で、多くは内膜に入口となる亀裂がある。他サイトから手書きイラストで分かりやすく解説したものがあったので↓に載せておこう。そして胸部大動脈解離には大きく2つの分類があり、それはスタンフォードA型とB型だ。スタンフォードAの方が重症で心血管手術が必要になる。
で、この患者さん、ほぼスタンフォードB型と思われた。↑の図のB型より若干弓部大動脈から上行大動脈近くまで内膜が裂けていてそこは造影での撮影も必要か。そこで受け入れ先で一番近い鹿児島市内の天妖怪病院に連絡をした。最初、心臓血管外科のドクターが電話口に出て状況を説明したら「ううむ、B型ならまずはうちの循環器内科に連絡してくれたほうが」と言われた。院内での電話交換はその外科Drからは難しく掛け直して欲しいと。ふむ、それは私も似たような経験しているのですぐにまた病院に掛け直した。今度は循環器内科のアッシンDrが出た。声のトーンですぐ分かった。向こうも私だとすぐに分かったはず。つい3月まで月に2回ほど午前外来に来てもらっていたし医療連携の会などで何度も見知っている先生だしー。

































