外科Drに「もしかすると脾弯曲付近の大腸に狭窄を来しているかも」という高齢女性の大腸内視鏡を頼まれた。イレウス(腸閉塞)を起こしてようでその原因が左上の大腸の癌かもしれないということだ。
こういう場合、事前に水類の下剤の前処置は不可である。詰まりのせいで嘔吐するだけだし、それでも強引に実施すれば腸管破裂などの事故を起こすかもしれない。浣腸のみで内視鏡挿入することになり、結局、仲間内で呼んでいる「ウンコファイバー」にならざるをえない。
「しかし、ウンコファイバーは仕方ないとしてもS状結腸にウンコ多すぎないかい?」そう、私は検査途中につぶやいた。もし脾弯曲が大腸癌などで狭窄していれば便汁はあってもこんなに大量のウンコはないはずだ。さらにスコープを挿入する。下行結腸に来てもウンコの多さは変わらない。事前の画像診断の癌による狭窄とイレウスはもしかしたら違うかもしれない。そして挿入をしているとどうも横行結腸に来ているようだ。レントゲン室で検査をしていたので透視で確認したらやはりそうだった。あはー、大腸癌なんかじゃなかった。この後上行結腸まで確認して少なくとも狭窄はなく大腸癌もなさそうというのが前処置なしでの大腸内視鏡の結論だった。
それを内視鏡室に戻って電子カルテに記録した。しばらくしてそのカルテを大腸内視鏡には付かなかったスタッフの秋の萩君が見ていた。どんな検査だったのだろうと関心があったのかな。じーっと見ていてしばらく「ぶーっ」と吹き出しよった。「どうしたん?」「センセイ、おかし過ぎます」と笑った顔が戻らない。画面を見ると・・。↓参照。
秋の萩君は下から見ていて「S状結腸はとにかくウンコ多く・・」「上行結腸はここもウンコ多し」と来て、脾弯曲のところで「ただウンコあるのみ。」と書かれたところで吹き出したのだった。いやー、笑かすつもりで書いたんじゃないのよそれ。そんなに可笑しかった?
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