2026年2月6日金曜日

ロボット手術

夜、毎年恒例の「大腸がん検診研究会(第37回)」をオンラインで視聴した。鹿児島県生活習慣病検診等管理指導協議会と県医師会が主催で大腸癌検診の現状報告と特別講演の2本立てだ。

特別講演は県外の有名講師を招聘してのケースもままあり、聴けば必ずためになる話が多い。ただ今回は身内というか鹿児島大学病院消化器外科助教の馬場研二先生の講演だった。テーマは「大腸がん外科治療の最前線~ロボット手術で何が変わったのか~」だった。ロボット手術とは術者が直接腹部に手をつこんでメスとハサミと糸で手術を行うのではなく、モニターを見て両手で操作器を遠隔で操作し患部にはいくつかの鉗子が突っ込まれロボットの手のように手術を行うというものだ。↓の画面がそのイメージだ。
2018年に直腸癌、2022年に結腸癌のロボット手術が保険適応になりロボット手術症例が急激に増加している状況だそうだ。ロボットのいい点は肉眼では見えない、見えにくい視野まで観察出来て特に大腸肛門の分野では直腸癌の低位(肛門に近い部位)の手術に強いということだ。これまでだと一時的にも人工肛門を作らざるを得ない症例でも1回の手術で直接縫合が可能になり合併症も少ないという。これまでの単純な腹腔鏡手術からロボット手術になり難しい直腸低位の癌の手術で一時的人工肛門造設率が80%から44%にまで低減できたそうだ。なかなかの恩恵だ。

ただ大学病院では他科も利用するため消化器外科だけがDa Vinci(ダビンチ)を使用するわけにはいかず、大腸肛門グループは月に2〜3症例しか使えないということ。だから症例を選んで行っている。あと、先進的でバリバリの外科医なら使いたいロボットだが1機2〜3億円はする代物でしかも年に1〜2千万円の保守点検費用がかかるそうだ。いや、青雲会病院ではとても無理だわ。しかしこの流れはどんどん進んでいくだろう。

もし、今自分が若くて医学部卒業して2年間の研修医の頃ならロボット手術は相当魅力的に移る。思えば内視鏡医も内視鏡スコープという単純なロボットを使って検査、治療しているようなもんだ。自分は内科医であるけれど、医師1年目の時に外科研修を半年間受けたことがあって、その時外科指導医に「君は内科より外科に向いているんじゃない」と言われたことがあった。切った張ったの外科医にはなりたいとは当時は思っておらず「どこが(外科に)向いているんでしょうか」と尋ねたら、なんと「そのいい加減なところが」と言われてしまった。むむむ、確かに地道に診察しデータを調べ治療をしていく内科的というより、さっさと患部を直接見て治療(手術)すればいいじゃんという気持ちは持っていた。内視鏡診療もしそれに近いところがある。私は「事前にああだこうだ議論するよりさっさと内視鏡で見ればいい」って内視鏡医同士の検討に際によく言うしねー。

内視鏡もこの30年40年でものすごく進歩した。他分野もそれは同じで外科も相当進歩している。外科医はなり手が少ないなんて言われるけれど本来は花形部署のはず。ロボット手術は安くなりもっと普及すればその復活にも寄与しそうだ。今日は良いものを見せてもらったヨ。

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