2024年3月31日日曜日

草野心平の詩を覚える

今日の日曜は朝から夕方まで病院日直だった。これも第5週のせいってか。仕事は救急が2件にあと外来が2件程度と割にヒマな日直だった。大谷のドジャース対カージナルス戦もちょこちょこと見られたしー。延長に入って1点差のドジャースは2アウト満塁で大谷に回ってきた。いい場面だ。ここで同点もしくは逆転打ならさすが!ってなるところだったが凡フライでアウト、試合終了となった。うーん、そこそこヒットは出るがなんか去年までの大谷の打球じゃないんだな。NHKBSのワースポによると今年の彼のスイングスピードは去年よりも増しているんだそうだ。つまり当たれば相当飛ぶ・・はずだが、スイングの角度が去年よりかなり低く打球が上に上がらないとか。自分の感覚と体の動きとがまだしっくり来ていないのだろう。それでもまずまずの活躍だし、チームは今日は負けたが点を後半に取ってくれることが多くかなりしぶとい。エンゼルスとは違う。去年以上にメジャーリーグから目が離せないな。

さて、医局から移動した部屋には壁に詩句の額縁があってちらっと見たがなんて書いてあるのかよく分からなかった。

「雨に濡れて」「石」「億・・」「蔵して」などは読めるが・・。じっと見ていても全部は読めないし意味も分からないでしばらく他のことをしていた。しかし額縁の最後に「草野心平」とあって「あ・・」と思った。有名な詩人草野心平の詩だったのだ。草野心平と言えば個人的には中学1年時の参考書に載っていた「富士山」という詩が強く印象に残っている。4月から中学生だと春休みに五教科の参考書を買い、国語の参考書の最初にあたりにその詩があった。(草野には富士山のタイトルの詩はたくさんあってその中の一つ)

地球とともに。
夜をくぐり。
ああ。
最初の日本。
薔薇の山巓(さんてん)。

たったこれだけ。最後の山巓だけは聞いたことのない言葉だ。これは山頂部の最も高いところを指し、つまりは薄暗い夜が明け日本で一番高いところに赤い朝日が差し薔薇のような富士山山頂だ、ということだ。すごいイメージが湧く詩で初めて知ってから50年以上しっかり覚えている。

額縁にあったのは調べると「石」という詩だった。

雨に濡れて。
独り。
石がいる。
億年を蔵して。
にぶいひかりの。
もやのなかに。


なかなか味わい深い。草野心平は一見たかが石ころの中に地球の歴史を感じている。先の富士山の詩よりこれは有名な詩のようだ。私は詩人にはたぶんなれないが鑑賞することは出来る。この額縁は明日には外されるが、せっかくの記念だ。中学1年の時同様しっかり覚えておこう。

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