2024年10月2日水曜日

戦力外通告の季節

日本のプロ野球はこのところとんと見ておらず、パはソフトバンク、セは巨人が優勝したというのはさすがに知っているくらい。それよりもここ数日、日本プロ球団の戦力外通告というのが発表されて哀愁漂う状況がある。だいたい25才前後で解雇されている選手が多い。巨人は2018年ドラフト1位の高橋優貴投手27歳が戦力外になったと報じられたが、誰それ?活躍しないとドラ1でも名前すら覚えられない。巨人で戦力外、自由契約となった13人のうち誰一人私は知らなかった。オリックスはT-岡田外野手が36歳で現役引退とあり、これは満期でプロ野球人生を終えられた数少ない幸せなケースだろう。30歳以上までプロ野球に在籍できれば御の字でドラフト3位〜5位、育成契約の選手らは25歳前後でお払い箱になる。厳しい世界だ。

昨日の「マネー・ボール」でもアスレチックスのゼネラルマネージャーは「高校生をドラフトで取るなんて狂気の沙汰、大学生の方がデータ的にもはるかにリスクが少ない」と断言している。これは日本とアメリカでは少し事情が違っているせいもある。大学生になると試合数も多くレベルも一定になるため、投手力、打撃力のデータが信頼に足るということなんだ。

大谷が高卒で「メジャーに行きたい、いや行く」と宣言し多くの日本の球団はドラフト指名を見送った。しかし日本ハムは「メジャー行きはさせる。でもまずはプロ野球に入ってからでも遅くない、いやその方が失敗する可能性が低い。データ的にもそうだ」と大谷を説得したのは今から思うと本当に英断で賢明だった。しかも本気で二刀流の育成をやってのけたのだからー(栗山英樹監督えらい)。栗山英樹は「特別な才能に恵まれているわけではない自分にとっては、120%の努力をすることがプロの世界で生きていくための最低条件」と語っていて才能だけでなく努力も相当必要な世界なんだと分かる。
この前、大谷の活躍をNHKがクローズアップ現代で放送していた。それを見て大谷は才能もだが努力も天才なんじゃないかと思った。そして成功すれば大学出て会社入ってちゃちな生活安定の道を歩むよりどんだけ素晴らしいことになるかってことだが、プロに入れば99.9%はそうではなく、90%以上は20歳代半ばで放り出されどう生活しようかと悩む羽目になるってことだ。よほどの天才かバカでない限り、プロ野球選手への道はお勧めしないな、うん。

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