2025年7月2日水曜日

森下の甲斐くぐり

私は、大谷翔平が大活躍し始めた2021年からというもの、ことプロの野球に関してはほぼメジャーリーグばっかし視聴している。1年のうち半年は朝のドジャースの試合を毎試合録画し、ネットではSPOTVNOWでチェックし、夜はワースポ&MLBでその日のメジャーの試合をほぼ全部チェックするという生活だ。プロ野球はソフトバンクホークスが昔から一押しで、セ・リーグは阪神タイガースを応援している。過去何回か日本シリーズでこの2チームは対戦しているがその場合はやはりホークスを応援するな。

2014年の日本シリーズ第1戦では甲子園での試合を観戦した。3塁側にも関わらず回りは阪神ファンが99%でその様子はこてる日記にもアップした(2014年10月25日「日本シリーズin甲子園」https://koteru-nikki-2015.blogspot.com/2014/10/in.html)。学会で神戸に行っていてその日の夜には鹿児島に帰るつもりのところ、昼の学会会場で「日本シリーズ第1戦のチケットが1枚余っているのだが・・」と後輩のトクジュウDr(今は好青年病院の院長様)に声を掛けられるという奇跡があったのだ。甲子園観戦は高校野球でしかなったのにいきなり最高の舞台を観戦できるとは・・学会って行くもんだったわ〜(笑)。

いや、今夜のネタはそんな昔話ではなく、今夜の阪神巨人戦だ。今日は日記ネタが特にないなぁと思っていたら、これはというのがあったんだ。日頃は日本のプロ野球は録画してまでは見ないのに、なぜかBS朝日のスーパーベースボール阪神巨人戦が録画状態になっていた。なんでそうなったのか今でも不思議。でもそのおかげで珍しくも面白いシーンをしっかり見ることが出来たのだからツイていたね。

試合経過なんか全然知らずに、たまたま8回裏の阪神の攻撃だけを見ていた。最近のプロ野球は0対0とか2対1とか投手戦(ていうか貧打戦)が多いようだ。この試合も0対0でここまで来ていた。2アウトのところ阪神3番の森下と4番の佐藤が警戒されて四球で出て1塁2塁にいた。続く大山の打席で投手が変わり、解説者によると「シュートにどう対処するか」が見所とのことで、実際初球はシュート(最近ではツーシームと呼ぶことが多い)が投げられ、これを大山が引っ掛け気味で案の定のショートゴロとなった。「アウトやな」と誰もが思った瞬間、ボールがイレギュラーバウンドしショートの肩に当たり内野に転がった。

2塁走者森下は3塁を回ってホームに突入!クロスプレーになった。ショートから巨人キャッチャー甲斐(元ソフトバンク)への送球は若干それたがタイミングはアウトだった。しかし走者森下はよけて回ってどうにかホームベースに手を付けたが・・判定はアウトーーッ!ハァ。

でもここは勝負所、阪神藤川監督は当然リクエスト(メジャーではチャレンジという)を要求した。ビデオ判定だ。放送ではその場面が繰り返し流された。うん?何度か甲斐は森下にタッチしているように見えるが確実に触れている場面はない。最初、解説者は「森下は真っ直ぐホームに突っ込まねばいかんかった」と言っていたが、ビデオ確認ではそんなことすれば完全にアウトになっていた。

走者と捕手の一連の動きを静止画面で見てみよう。最初のコンタクトでは走者に捕手は明らかにタッチ出来ていない。
そこで捕手は走者にタッチしようとする。ホームベース上に捕手がいて走者はホームから離れており、この画面では走者はほぼ絶体絶命に見える↓。
まさに捕手が走者にタッチ!の瞬間、走者は体を捻りタッチをかいくぐって・・
右手をホームベースにタッチ!している。この間、捕手のミットは走者に一度も接触出来ていなかった。
まあ、ビデオ判定がない時代だったら「アウト!」と言われてもだいたい納得させられていたと思う。しかし判定は・・・「セーフ!!」
これには森下も阪神選手もそして超満員の甲子園全体も「ウォーッ!!」の大歓声。結局この1点がものをいい1対0で阪神が勝った。
いやーすごいわー。この盛り上がり、メジャーにも負けていない。この後、巨人阿部監督が審判に抗議して退場になったのはまあご愛嬌かな。ただこの一連のプレー、阪神、巨人どの選手にも非はない。イレギュラーバウンドは巨人にとってただの運のなさ。ショートの送球が少しそれたがそれでもタイミングはアウトだった。森下も最初はタッチされていない自覚があったようだが二度目は「分からなかった」と言っている。彼にもう一度しろと言われても出来るかどうかの奇跡的な身のこなしだった。甲斐の動きも特に悪いところはなく、そして彼は「タッチした」と言っているが映像ではそれは確認出来ていない。

この一連のプレー、私が名付けるなら「森下の『甲斐』くぐり」これで決まりだろう。その後新聞報道でも「タッチを2度“甲斐くぐった”神業決勝ホーム」と見出しに使われていた。かつての「バックスクリーン3連発」に匹敵する名場面になりそうだわっ!

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