夕方のニュースを見ると、サミット首脳らはバイデン大統領始め、全員原爆資料館の視察を行ったということで何よりだった。
ついこの間のことになるが、土日でNetflixのドラマ「サンクチュアリー聖域ー」全8話を一気見した。先週末、5階病棟のマチルダ師長が「先生、このドラマ面白いですからぜひ見て下さい。私はゴールデンウィークに見始めたら続きが気になって2日で見終わってしまいました」という。Netflixを開くとその時点で人気ドラマの第2位にランクされていて一個人の好みの作品ではないことも分かった。絵柄からすると明らかに相撲ドラマで、北九州出身の不良が金のために相撲界に入って・・というストーリーのようだ。
先週土曜日はリアル麻雀の約束があったので、カールに「このドラマ面白いらしいし、全8話だから見やすいかも」と言って視聴を勧めてから麻雀に出かけた。翌朝、「見た?」と尋ねると「もう、全部見た」と。早いねぇ。カールは倍速視聴がいつものことだし、あの「愛の不時着」も1日ちょっとで見終わったくらいのスピード視聴者だからさもありなん。で、「面白かったよ。ピエール瀧も出ていたしみんな演技がうまかった。ただ最初のシーンが少し苦手で・・」と序盤の暴力描写がきつかったが、それ以降は良かったのこと。それでさっそく私も見始めた。
そもそもこのドラマ、過去のTV放送の再配信ではなくNetflix限定での配信ドラマだ。Netflixのドラマ人気ランキングでは一般に韓ドラが強く、その中で日本発ドラマが上位に食い込むとはそれだけでも相当人気があるんだと分かる。主人公は一ノ瀬ワタルという格闘技出身の俳優で私は全く知らなかった。相撲は素人のはずだがそんな違和感はなく、他に出てくる力士役の俳優らもいかにも本物の相撲取りに見えた。聞けば力士役の俳優たちは1年以上も前からトレーナーについて指導を受け肉体改造してこのドラマに臨んだという。
入門した部屋の親方がピエール瀧で、ライバル部屋で瀧をイジメにかかる親方が松尾スズキで名門部屋の親方が岸谷五朗で力士とは縁遠いはずなのになんかとってもリアルなんだ。特に岸谷の自分の息子でありながら角界のプリンスの大関龍貴に対する厳しいまなざしと態度はゾクッときた。
角界のイジメ(かわいがり)、タニマチの存在、八百長、星の貸し借り、相撲女子などいかにも現実の相撲界にありそうなネタが散りばめられているし、それに登場人物の多くが主人公も含めて「悪い」やつが多く、それぞれの経緯や生き様も描かれ、リアルさを重視しているように見えた。特に主人公の母親などそこまで汚く描くかぁというくらいだった。
結局、深夜から明け方に掛けて私も全8話を見終わったよ。いやー、これだけ質の高いドラマをネット配信だけで成立させてしまっていることに驚く。2年前話題になった韓ドラマ「イカゲーム」もNetflix配信のみだった。実はこの後、Netflix制作で第73回プライムタイム・エミー賞にもノミネートされたのアメリカのドラマ「クーンズ・ギャンビット(全7話、2020年)」も見たが非常に面白かった。「サンクチュアリ」と舞台は違うがテーマは似ている。ただ、チェス界が舞台のこちらの方が私は好みかな。
TV局のドラマではなしえないようなものがネット配信では可能になっているしまた面白いものが作られている。時代はますます変わりつつあるわ。