いつもよりも仕事が長引き、遅い昼食を摂った後、私は院長室で眠りこけていた。だから14時を過ぎてカールからスマホに電話が掛かってきたことにも気づかなかった。午前の仕事が長引けば、内視鏡室スタッフも午後の内視鏡検査を15時以降に遅らせてくれるので助かる。目が覚めてそろそろ午後の大腸内視鏡検査へ行こうかなと思って、たまたまスマホを見て「はっ!」となった。
あああー!何ていうこと、すっかり忘れていたよー。でも、やったぁおめでとう!だっ。今日の14時にチッチの医師国家試験の合格発表があったのだ。今朝まではちゃんと覚えていて「自己採点で『大丈夫と思う』と言っていたからきっと通っているんだろう」なんてカールと話していたのに、いざその時刻になったらウトウトと眠りこけていたなんてー。15時10分にすぐに返信すると、今度は「市役所終了」とのコメントが返ってきた。
カールは14時過ぎてもチッチ本人から何の連絡もなく、といってもわずか5、6分のことなんだがドキドキ、喉はカラカラ状態だったらしい。それでチッチに確認のメールをしたら「合格したよ」と合格番号の写メが返信されてきたという。で、すぐに私に転送して電話もしたのだが、何の反応もなかったので、構ってられないと事前に頼まれていた医師免許申請手続きのために鹿児島市役所に行ったのだった。というのも、合格したら速やかに医師免許申請(医籍登録)を行う必要があり、基本的には住民票のある市役所(区役所)で住民票(抄本)を取得し、その後、居住地または研修先病院の所在する保健所へ申請書をする流れで、市役所に着くとカールの前にすでに鹿大医学部生の男女カップルと思われる2人が申請に来ていたという。カールは彼らに申請のことでいろいろ尋ねたら、医師免許申請用の収入印紙が必要と知り、すぐに東郵便局に行き6万円のものを購入し手続きを済ませたという。それで「市役所終了 午後3時13分」との返信があったのだ。いや〜、ようやくだったなぁ。チッチが高3の秋頃に「進路はどうする」に「医学部を目指したい」というので「本気か?」と驚いたのが11年以上も前のことだ。私は兄たちも含めて子どもらに「医者になれ」とか「医学部を目指せ」とかは言ったことはなかった。ましてやチッチの成績が学年でも下の方で、それは家でもろくに勉強などしていなかったので当然だったし、でも高校卒業を半年後にひかえそろそろ進学をどうするか考えなければいけない時に「浪人覚悟で医学部を目指したい」と聞き「えっ?!」となったのだ。
チッチは国語が苦手な上にこれまで地道に勉強しておらず国公立系の医学部は勉強の範囲が広すぎるししかも超難関だ。私立の医学部も私らの頃と違って偏差値も上がりちょっとやそっとの勉強では立ちゆかなくなっている。それに学費も高い。カールと相談し、目指すとしたら私立の医学部だろうが、学費の問題は後でどうにかなるとして、学力を上げるには1年や2年の受験浪人では難しいのではないかと危惧した。私の知り合いの医学部希望学生らが現役や1浪ってのは少なくて5浪や6浪でやっと合格って例が何人もいたからだ。合格すればまだ救われるが、学部変更したりそのままずるずるとどこの大学に行けず・・ってケースもあった。また合格しても膨大な量の勉強をこなし医師国家試験に受からなければただの人なんだ。だから合格するまでは医学部生であることすらこの日記では触れなかったのである。


本当におめでとうございます
返信削除頑張りましたね
ありがとうございます。今後ともよろしくー!
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