2025年3月21日金曜日

あの鹿児島市立病院が・・

 夕方、青雲会病院の年度末理事会に出席した。業績報告では今年度はどうにか黒字になっていて、昨年前半の入院患者減少から赤字もあり得るのではいう状況からよく盛り返したものだ。

その後の懇親会で某出席者から「鹿児島市立病院の赤字が大きくて大変」という話を聞いた。内部留保があるからすぐに危機的状況にはならないそうだが、現状の赤字体質が続けば問題になりそうとのことだった。2月の南日本新聞では「鹿児島市立病院で医療事務の業務委託入札が2度にわたり不調となり、4月以降の委託先が未定であることが2月17日分かった。2024~28年度の複数年契約を結ぶ入札で、人手不足や人件費高騰が影響したとみられる」という芳しくない報道もあった。

鹿児島市立病院に限らず、全国的に大学病院・公立病院は赤字が多い。大学病院だと42の国立大学病院のうち32施設が赤字なんだ。国立病院全体で赤字は250億円以上にも上るとか。背景には人件費上昇や物価高騰による支出増があり、国立大学病院の存続そのものが危ぶまれるかもしれないという。鹿児島市立病院のような公立病院はもともと人件費率が高い傾向にあり(昔の国立療養所霧島病院などなんと80%というトンデモ比率だったことはこてる日記2月21日に書いた。この比率は50%くらいなら良好で80%というのは即倒産レベル)、もう一つは患者数の減少もあるだろう。鹿児島市立病院では周産期病床などベッドが空いていると聞く(公的病院の新生児・周産期病棟では国内最大の病床数で有名)。人口減、出産減で周産期医療対象の患者も徐々に減っているはずなのに空きベッドを抱えていれば当然収入は増えない。物価が高騰しても国の医療費抑制政策で治療費などの単価アップはなく、支出の機器購入には消費税込みで支払う必要からその負担も大きいのだ。公的病院は先端医療にも力を入れる傾向があり、例えば手術支援ロボットで有名なダヴィンチを導入すると3億円かかるそうだが、となるとそのための手術代は保険診療ではアップ出来ないため、導入即赤字は決定的だ。そもそも国は今後病院の数を減らそうと目論んでいるから収益はなかなか上がらないんだ。

そんな国策がらみの赤字傾向もあるが、各施設でいろいろ出来ることはやらねばならない。私は研修医時代に3ヶ月だけ外科研修で鹿児島市立病院に勤務したことがある。その時、市立病院の職員への強烈なコスト意識の植え付けが非常に印象に残っている。カールも1年半ほどバイトで市立病院の臨床検査室に勤務経験があり、「そうそう、ゴム手袋も簡単に捨てちゃいけないって言われたわ」と私と同じ感想を言ってきた。ちょっと丈夫めのゴム手袋は再生用として滅菌に回し再利用、再々利用するんだというの。さすがにすぐ破れるようなものは即廃棄だったが、ゴム手袋まで再利用する施設って、それ以前にもそれ以後にも鹿児島市立病院以外なかった。当時の時任院長に研修の挨拶に行った時も「仕事を頑張れ」ではなく「コストを意識しろ」って言われたもん。当時、公立病院で独立採算制とかやっている施設は全国的にもあんましなかったんじゃないかな。

その鹿児島市立病院が大きな赤字というので隔世の感を覚えた。ちなみに私は新病院移転し丸10年にもなるというのに現鹿児島市立病院には一度も足を踏み入れたことがない。なんか縁がないんだよねぇ。おまけに赤字赤字って言われればお近づきになるのも・・おっと、公立病院の雄、鹿児島市立病院には頑張ってもらわねば。陰ながら応援していきたい。

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