昼休みに医局に入ると、福香さんが何かをいじっていた。見れば消臭剤のビーズの詰め替えの最中だった。蓋が開いていたので、私は透明なビーズを指でちょんちょんと触ってみた。ぬるっとするので水が入っているのかと思いきや、そうではなかった。「(ぬるっとしている)ビーズの中の成分が少しずつ蒸発して最後は小さくなるんです」と彼女が教えてくれた。私はそんなものだとは知らず、実際に小さくなったビーズが3個あるのを見て「へーえ」と漏らした。↓。
消臭ビーズの中身はおもに「植物性抽出エキス」と「吸水性樹脂」で、植物性抽出エキスの入った消臭液剤を吸水性樹脂(高吸収性ポリマー)に浸透させると丸く膨らみ、その表面から消臭成分を蒸発させてニオイ成分を消臭する。消臭ビーズが時間の経過とともに小さくなっていくのは、ビーズの中の消臭液剤が蒸発していくからで、消臭効果が表れていることを示しているという。消臭ビーズが徐々に小さくなって1割程度になったら中身を替える時期で、ちなみに水を入れるとビーズはまた大きくなるが実はこれ意味のないことだ。消臭成分がなく当然効果はない。
普段何気なく見かけてはいたがこのような仕組みだとは全く知らなかった。感心していると「あら、先生の奥さんはきっと知っているはずですよ」と近くにいた山の神さんに言われてしまった。ふむ、きっとそうに違いない。カールなら「(そんなの知ってて)当たり前よ」だろう。男は年を取れば取るほど生活能力で女性に差を付けられてくる。定年を迎えた男性が家では何をするにしてもいつも奥さんにくっついて世話を焼いてもらう状態を「濡れ落ち葉」なんて言う。医師に定年はないが、気を付けないと私も・・なんて思うことだった。
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