2017年4月4日火曜日

献体が多すぎる

朝は延期になっていた医局会のレクチャーを行った。テーマは「コールドスネアポリペクトミー」で専門外の先生方にこんな治療法がある、という紹介型の発表だった。案の定、いくつかの質問が出てそれに私が答えた。まずは滞りなく終わり、これで懸念材料が一つ去った。今月は4月17日にまた朝礼スピーチがあるがとりあえずは何も考えないで過ごそう。

そうそう、通勤時のTVを聞いたが、最近大学病院への献体申し込みが多くなっているんだそうだ。これを聞いて「へ?」と思った。というのは私が学生時代は解剖実習用の献体が不足気味でいかに生前に献体希望の人を増やすかに大学は頭を悩ましていた。学生6人につき1献体で私たちは実習していたが「ここ(鹿児島)は田舎だからだけど都会では4人に1献体ってところもある」と聞いたことがある。

ところが大学に登録しても順番待ちのところも出てきているそうで、ここ10数年で献体に対する意識が変わってきたようだ。私が思うに家族との関わり合いが希薄になってきたからじゃないだろうか。葬式して火葬して納骨して墓参してもらう、という死後のかかわりが以前より薄くなってきた。子どもらに迷惑かけずに献体すれば医学のためになるし火葬や搬送費用は大学が出してくれ最後は納骨まで丁寧に扱ってくれるならそれもいいかーと。「献体は人生最後のボランティア」という言葉もあるそうだ。

大学にとっては有り難い時代になったが、数年で納骨数や遺体がいっぱいになって来てその管理が解剖学教室単独では無理なレベルになるだろうという問題も出てきている。まさか献体が多すぎて困るという時代になるとは。まさに「時代は変わる」だ。

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