2015年2月12日木曜日

カタカナ二文字

(おつかれ床寝で・・日記書き大いに遅れてしまった)

この日は外来で患者名でちいとばかし盛り上がった。私の受け持ち患者は当然高齢者が多いのだが大正、昭和初期の女性名にカタカナ二文字の人が多いのだ。現在ワイ、エツ、ツヤ、レイ、ソデ、ユリとこんなにもカタカナ二文字が多い。そしてそのほとんどが意味不明だ。昔の人はその名前にどんな意味を込めたのか・・いや、ほとんど込めていないのではないかと思われる。私の叔母さんにネキという人がいて自然にネキ叔母さんと呼んでいるけれどその名に深い意味があったとは聞いたことがない。男には勇とか浩とか太郎次郎などそれなりに意味が感じられるがこれはその頃の時代が女性軽視、蔑視の風潮があったからと推測する。それが昭和10年代になると○○子と名付けるようになり、事実昭和11年生まれのネキさんの妹は文子さんだ。ギボヒサコも昭和二桁生まれで姉妹全員子が付いている。私の生まれた昭和30年年代までは子全盛時代で3分の2以上はそうで初めて会う子には「まあ、かわいいねえ、名前は何子ちゃん?」と尋ねるのが普通だった。当時は貴族にしか付けられていなかった子を名付けることですごく品がよくモダンな感じがしたのだろう。時代は流れて平成になると子は昭和のかおり漂う古くさいイメージになった。いまだに何々子ちゃんはいるけれどおそらく1割以下だろう。その代わり一字一字親の過剰な期待と思い入れあふれる漢字が付けられて下手するとなんて読むか理解しがたい名前も増えてきた。でもそれらもおよそ50年、それくらい経つと「何かめんどくさい平成っぽい名前ね」といわれると思う。そのころはカタカナ二文字が意外にイケるってこともあるかもしれない。流行は繰り返すっていうしー。名付け一つ取っても人は時代の空気に左右される。これは確かなことである。

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